表ソフトを使っているけど、フォアハンドが安定しない、ネットやオーバーミスが多いと悩んでいませんか?裏ソフトと同じ打ち方をしていると、表ソフト本来の持ち味である「スピード」と「ナックル」が活かせず、試合で勝ち切れません。本記事では、表ソフト特有のフォアハンドの基本から応用まで徹底解説します。スマッシュやミート打ちのコツ、練習法など、今日からすぐに実践できるノウハウを網羅しました。表ソフトの特性をマスターして、対戦相手を圧倒する強力なフォアハンドを手に入れましょう!
1. 表ソフトラバーの基本特性とは?
表ソフトラバーで強力なフォアハンドを打つためには、まず自分が使っている用具の特性を深く理解することが不可欠です。用具の性質を知らずして、正しい打ち方を身につけることはできません。
1-1. 裏ソフトラバーとの決定的な違い
卓球のラバーには様々な種類がありますが、その中でも「裏ソフトラバー」と「表ソフトラバー」は全く異なる物理的性質を持っています。裏ソフトラバーは、表面が平らなシートになっており、ボールとラバーが接触する面積が非常に広いため、強い摩擦を生み出し、強烈な回転をかけることができます。一方で、表ソフトラバーは、ゴムの粒(ツブ)が表面に向かって並んでいる構造をしています。打球時にボールが接触するのはこの粒の先端のみとなるため、裏ソフトと比較してボールとの接触面積が極端に少なくなります。この構造上の決定的な違いにより、表ソフトは「相手の回転の影響を受けにくい」反面、「自分から強い回転をかけるのが難しい」という特徴を持っています。裏ソフトのようにボールを「擦る」ような打ち方をすると、ボールがラバーに引っかからずに滑ってしまい、ミスを連発することになります。
1-2. 表ソフトのメリット:スピードとナックル
表ソフトの最大の武器は、何と言ってもその「スピード」と「ナックル(無回転)ボール」です。ボールがラバーに深く食い込み、粒の弾力で一気に弾き出されるため、初速の速い直線的なボールを打つことができます。また、自分から回転をかけないようにボールの芯を真っ直ぐに叩くことで、回転の全くないナックルボールを生み出すことができます。相手からすると、スピードの速い直線的なボールが飛んできたと思えば、急に手元でストンと落ちるようなナックルボールが来るため、タイミングやラケットの角度を合わせるのが非常に困難になります。このスピードとナックルの緩急こそが、表ソフトプレイヤーの最大の強みです。
1-3. 表ソフトのデメリット:回転の弱さと飛距離
強力な武器がある一方で、明確なデメリットも存在します。前述の通り、自ら強い回転をかけることが難しいため、台から下がってしまうとボールに前進回転(トップスピン)をかけて弧線を描き、相手のコートにねじ込むようなプレーが非常に困難になります。裏ソフトであれば、中陣・後陣からでもドライブで巻き返すことができますが、表ソフトで同じことをしようとすると、ボールが直線的に飛びすぎてオーバーミスになるか、ネットに突き刺さってしまいます。したがって、表ソフトプレイヤーは常に卓球台に近い「前陣」に張り付き、早い打球点で勝負し続けるプレースタイルが求められます。
1-4. 表ソフトに向いているプレースタイル
これらの特性を踏まえると、表ソフトは「前陣速攻型」と呼ばれるスタイルに最も適しています。相手のボールの威力を利用したり、打球点の早さで相手の時間を奪ったりするプレーが得意な選手に向いています。細かいフットワークで常にボールの真正面に入り、コンパクトなスイングで弾き返すことができる俊敏性と、台から絶対に下がらないという強い意志を持ったプレイヤーこそが、表ソフトの真価を発揮することができます。
2. 表ソフトのフォアハンド:基本の構えとスイング
表ソフトの特性を理解したところで、次はいよいよフォアハンドの基本的な打ち方について解説します。裏ソフトのドライブとは全く異なるメカニズムを身につける必要があります。
2-1. ラケットの角度は「面を開く」が鉄則
表ソフトでフォアハンドを打つ際、最も重要になるのがラケットの角度です。裏ソフトラバーの場合は、ボールにトップスピンをかけるために、ラケットの面を少し下に向けて(被せて)打球するのが一般的です。しかし、表ソフトで同じように面を被せてしまうと、ボールが引っかからずにそのままネットに直行してしまいます。表ソフトの鉄則は「ラケットの面を開く」ことです。具体的には、床に対して垂直よりもわずかに前傾する程度の、ほぼフラットな角度を作ります。この開いた面でボールの真後ろ、あるいはやや上部を的確に捉え、ボールをラケット全体に真っ直ぐ衝突させるイメージで打ちます。面を開くことでボールがスポンジの深くまで食い込み、表ソフト特有の弾き飛ばすようなスピードボールを生み出すことができます。
2-2. バックスイングは小さく、コンパクトに
表ソフトを使用するプレイヤーにとって、大振りなスイングは致命傷になります。表ソフトは打球点が早く、ラリーのテンポが非常に速くなるため、バックスイングが大きいと次のボールに絶対に間に合いません。バックスイングは極力小さく、体の右横(右利きの場合)にコンパクトに引くことを意識してください。腕を後ろに引くというよりも、右足に体重を乗せながら腰を少し右に回すことで、自然にラケットが引かれる状態を作るのが理想です。ラケットの位置は卓球台の高さよりも下に下げないようにし、常に高い位置からボールにアプローチできるように準備しておきましょう。このコンパクトなバックスイングが、高速ラリーでも崩れない安定したフォアハンドの土台となります。
2-3. 打球点は「頂点」から「頂点前」を狙う
表ソフトはボールに弧線を描かせることが難しいため、直線的な弾道でネットを越えさせる必要があります。そのためには、ボールがバウンドしてから最も高くなる「頂点」、あるいはその直前の「頂点前」のタイミングで打つことが絶対条件となります。ボールが頂点を過ぎて落ちてきてしまうと、ネットを越えるための十分な高さを確保できず、無理に持ち上げようとすると回転がかからずにオーバーミスに繋がります。常にボールの上がり端を捉えるために、フットワークを駆使して素早くボールに近づき、高い打球点を死守する意識を持ちましょう。
2-4. 体重移動と腰の回転で威力を出す
バックスイングがコンパクトであっても、決して手打ちになってはいけません。威力のあるフォアハンドを打つためには、下半身の力が不可欠です。バックスイングで右足に溜めた体重を、インパクトの瞬間に左足へとスムーズに移動させます。同時に、捻った腰を鋭く回転させ、その回転力を腕、そしてラケットへと伝えていきます。腕の力で強く振ろうとするのではなく、体重移動と腰の回転のスピードでボールを弾き飛ばす感覚を身につけてください。これにより、コンパクトなスイングでありながら、相手のラケットを弾き飛ばすような重くて速いボールを打つことが可能になります。
3. 回転別:表ソフトでのフォアハンドの打ち方
実戦では、相手から様々な回転のボールが送られてきます。表ソフトは裏ソフトのように「上書き」して回転をかけ返すことが難しいため、相手の回転に対して正確にラケット角度とスイングの方向を合わせる技術が求められます。
3-1. 上回転(トップスピン)に対するミート打ち
相手のドライブなどの上回転に対するフォアハンドは、表ソフトの見せ場の一つです。回転に逆らわず、相手のボールの威力をそのまま利用して打ち返します。この技術を「ミート打ち」と呼びます。ラケットの面はボールの真後ろからやや上を捉えるように少しだけ被せ、上から下へと叩きつけるのではなく、ボールの軌道に対して水平方向に真っ直ぐ弾き出すイメージでスイングします。インパクトの瞬間にグリップを軽く握り込むようにしてボールを弾くことで、相手の回転を無効化し、カウンターのような高速ボールを打ち返すことができます。
3-2. 下回転(ツッツキ・カット)に対する角度打ち
表ソフトプレイヤーが最も練習すべき技術が、下回転に対する「角度打ち」です。下回転を裏ソフトのようにドライブで持ち上げるのではなく、ラケットの面をしっかり上に向けて(開いて)フラットに打ち抜きます。ボールのやや下側に入り込むようにラケットをセットし、膝の屈伸を利用して斜め上方向へスイングします。この時、擦り上げるのではなく、ボールの芯を真っ直ぐに押し出すように打つのがコツです。インパクトの瞬間に手首を固定し、ラケット面がブレないように注意してください。正確な角度打ちができれば、相手の下回転を利用してスピードのあるスマッシュ性のボールを打つことができます。
3-3. ナックルボールに対する確実な処理方法
意外とミスをしやすいのが、相手からのナックル(無回転)ボールに対するフォアハンドです。相手の回転の力を利用できないため、自分自身でしっかりとボールを飛ばす力を作る必要があります。ラケットの面は垂直に近い状態を保ち、ボールの真後ろを的確に捉えます。この時、手先だけで打ちに行くとボールが落ちてネットミスになりやすいため、しっかりと足を踏み込み、体の重心移動を使ってボールを前方に押し込むようにスイングします。ボールをラケットに乗せて運ぶようなイメージを持つと、安定して相手コートに深く返球することができます。
3-4. 横回転サーブに対するフォアでのレシーブ
表ソフトは横回転の影響を比較的受けにくいため、レシーブにおいては大きなアドバンテージとなります。相手の横回転サーブに対しては、回転の軸を見極め、回転に逆らわずに角度を合わせて弾き返すフリックやミート打ちが有効です。裏ソフトのように回転を気にしすぎて慎重に合わせるのではなく、少しでも甘く浮いたボールに対しては、積極的にフォアハンドでパチンと弾いて攻撃的なレシーブを仕掛けましょう。面を開いて真っ直ぐ当てるだけで、相手の横回転がそのまま残ったいやらしいボールとなって返球されることもあり、相手の三球目攻撃を封じる効果的な戦術となります。
4. 表ソフトの最大の武器「フォアスマッシュ」の極意
チャンスボールを確実に得点に結びつけるフォアスマッシュは、表ソフトプレイヤーにとって絶対にマスターしなければならない生命線です。
4-1. スマッシュを打つための準備とポジション取り
スマッシュをミスする最大の原因は、手打ちになることと、ポジション取りの遅れです。チャンスボールが来たと判断した瞬間に、素早く足を動かしてボールの落下点の真後ろに入り込みます。十分なスペースを確保し、右足にしっかりと体重を乗せてテイクバックをとります。ボールに近づきすぎず、自分の最も力の入る打球ポイント(体の少し前方の右斜め前)でボールを捉えられる位置に微調整することが、スマッシュ成功の第一歩です。
4-2. スイングの軌道とインパクトの瞬間
スマッシュのスイング軌道は、上から下へ叩きつけるのではなく、後ろから前、あるいはやや斜め下から前上方へと、ボールを貫くように真っ直ぐ振り抜くのが正解です。ラケットの面はフラットに保ち、ボールの真後ろを強烈に叩きます。インパクトの瞬間は、ラケットの芯(スイートスポット)で正確に捉えることに全集中を注ぎます。「バチン!」という乾いた心地よい打球音が鳴れば、正しいインパクトができている証拠です。力みすぎてスイングが波打たないように、ラケットの軌道は常に一直線を意識しましょう。
4-3. スマッシュの威力をさらに高めるための身体の使い方
腕の振りだけでスマッシュを打とうとすると、威力が出ないだけでなく安定感も欠いてしまいます。強力なスマッシュを生み出す源は、下半身から上半身への運動連鎖です。右足で床を強く蹴り出し、その力を腰の鋭い回転に変換します。腰の回転に連動して肩、肘、そして最後に手首がムチのようにしなってボールを捉えます。インパクトの瞬間に反対側の手(フリーハンド)を胸の前に引き寄せることで、体の開きを抑え、力を一点に集中させることができます。全身の力をボールの芯にぶつけるイメージを持ってスイングしてください。
4-4. スマッシュミスを減らすためのチェックポイント
試合の緊張した場面でスマッシュミスをしてしまう人は、いくつかのチェックポイントを見直す必要があります。まず、「最後までボールから目を離さないこと」。打つ瞬間に相手のコートを見てしまうと、打点がズレてミスに繋がります。次に、「力みすぎないこと」。100%の力で打とうとするとフォームが崩れます。80%程度の力で、正確にミートすることに重きを置いてください。最後に、「あごを引くこと」。あごが上がると上体が起き上がり、ボールを被せてしまいネットミスになりやすくなります。常に姿勢を低く保ち、ボールの目線に合わせてスマッシュを打ち込みましょう。
5. 試合で勝つための表ソフト特有の戦術
技術が身についても、それを試合で活かす戦術がなければ勝つことはできません。表ソフトならではの特性を最大限に活かした戦術の組み立て方を解説します。
5-1. ナックルとスピードの緩急で相手を崩す
表ソフトの戦術の基本は、スピードボールとナックルボールの組み合わせによる「緩急」です。常に全力で強打するのではなく、時には当てるだけのブロックや、軽く弾くようなつなぎのボールを混ぜ合わせます。相手からすると、速いボールを警戒しているところに、フワッと浮いたようなナックルボールが飛んでくると、タイミングを崩されてミスを誘発しやすくなります。同じフォームからスピードボールとナックルボールを打ち分けられるように練習し、相手に的を絞らせない卓球を展開しましょう。
5-2. コースの打ち分け:ストレートへの展開が鍵
表ソフトプレイヤーは、コース取りにおいても工夫が必要です。特に有効なのが、相手のフォア側(ストレート)への鋭い攻撃です。裏ソフトの場合、クロス(斜め)へのボールは引っ掛けて打ちやすいですが、ストレートへは少し技術が要ります。しかし、表ソフトは面を合わせて弾くだけで直線的なボールが打てるため、ストレートへの展開が非常にやりやすいという利点があります。バッククロスでのラリーから、相手が油断した瞬間にフォアストレートへ高速ミート打ちを突き刺す戦術は、非常に得点率の高い王道パターンです。
5-3. 前陣を死守するプレースタイルの確立
前述の通り、表ソフトは台から下がると極端に不利になります。試合中に相手の強いボールに押されて下がってしまいそうになっても、グッと堪えて前陣を死守する強い精神力とフットワークが求められます。相手のドライブに対しては、下がってブロックするのではなく、前陣でカウンター気味にブロックするか、ショートバウンドでミート打ちを仕掛けることで、相手の時間を奪い、常にプレッシャーをかけ続けることができます。「台から30センチ以上は下がらない」という独自のルールを設けるくらい、前陣でのプレーに執着してください。
5-4. バックハンド(ショート・プッシュ)との連携
フォアハンドを活かすためには、バックハンドの技術との連携が不可欠です。表ソフトプレイヤーの多くは、バックハンドでのショートやプッシュ(押し出し)を使って相手を揺さぶり、甘く浮いてきたボールをフォアハンドで叩くという戦術を得意とします。バックハンドで相手のボールの威力を吸収するストップブロックや、ナックル性のプッシュを相手のミドル(懐)やバック深くに送り込みます。相手が苦し紛れに持ち上げてきたボールを見逃さず、回り込んでフォアスマッシュを打ち込む一連のシステムを確立することで、試合を優位に進めることができます。
6. フォアハンドが劇的に上達する効果的な練習メニュー
ここからは、表ソフトのフォアハンドを確実にマスターするための具体的な練習方法を紹介します。日々の練習に取り入れて、反復練習を行いましょう。
6-1. 多球練習でのフォーム固めと打球点の確認
新しい技術を身につける際、最も効果的なのは多球練習です。指導者やパートナーに一定のリズムでボールを送ってもらい、正しいフォームと打球点に集中して打ち込みます。最初は球速を遅くしてもらい、「面を開く」「バックスイングを小さく」「頂点で捉える」という基本動作を体に染み込ませます。一球一球、インパクトの瞬間のラケット角度や、ボールを弾く感覚を声に出して確認するくらいの丁寧さを持って取り組んでください。フォームが崩れてきたらすぐにストップし、素振りで修正してから再開することが重要です。
6-2. ワンコースでの連続ミート打ち練習
フォームが固まってきたら、次は実戦に近いスピードでの連続ミート打ちの練習を行います。フォア側のワンコースに上回転のボールを集めてもらい、それを連続で弾き返す練習です。この練習の目的は、速いラリーの中でバックスイングを小さく保ち、連続して正確にミートする感覚を養うことです。打った後にラケットを下に下げず、すぐに次のボールに備えて元の位置に戻す「戻りの早さ」を強く意識してください。1分間連続でミスなく打ち続けることを目標に設定し、集中力とスタミナを同時に鍛えましょう。
6-3. 下回転打ちからのシステム練習
実戦では、下回転のボールを持ち上げてから上回転のラリーに移行するケースがほとんどです。そこで、下回転打ち(角度打ち)からのシステム練習を取り入れます。パートナーに下回転のツッツキを送ってもらい、それをフォアハンドの角度打ちでストレートに打ち込みます。パートナーはそのボールをクロスにブロックし、それをさらにフォアハンドのミート打ちで連続攻撃する、といったパターンです。下回転に対するフラットなスイングから、上回転に対する前方向へのスイングへの切り替えをスムーズに行う実践的なトレーニングとなります。
6-4. フットワークを取り入れたランダム練習
最終段階として、フットワークを取り入れたランダム練習を行います。パートナーにフォア半面にランダムにボールを送ってもらい、すべてフォアハンドで打ち返します。ボールの落下点に素早く移動し、常に最適な体勢で打球することが求められます。表ソフトは手打ちになると途端にミスが増えるため、「足でボールを打ちに行く」という意識を極限まで高めるための練習です。ボールに追いつくのが遅れた場合は、無理に強打せずに繋ぎのボールを送るなど、状況判断能力を養うこともこの練習の重要な目的です。
7. 表ソフトプレイヤーによくある悩みと解決策
表ソフトを使っていると、誰もがぶつかる壁があります。ここでは、フォアハンドにおける代表的な悩みとその解決策を提示します。
7-1. 「ネットミスが多い」原因と対策
ネットミスが頻発する最大の原因は、「ラケットの面が被さっていること」と「打球点が落ちていること」の2点です。裏ソフトの癖が抜けず、無意識のうちにボールに回転をかけようとして面を伏せてしまっていませんか?あるいは、フットワークが遅れてボールが落ちてきたところを下からすくい上げようとしていませんか?対策としては、極端なほどラケットの面を開く意識を持ち、ボールの上がり端を捉えるようにタイミングを早めることです。また、手首を使いすぎると面がブレやすいため、インパクト時は手首を固定するよう心がけてください。
7-2. 「オーバーミスが多い」原因と対策
オーバーミスが多い場合は、「下から上へスイングしすぎている」か、「ボールの芯を捉えきれていない」ことが考えられます。表ソフトでボールを擦り上げようとすると、回転がかからずにそのまま真っ直ぐ飛んでいき、台をオーバーしてしまいます。対策としては、スイングの軌道を「後ろから前」へと修正し、ボールの真後ろをフラットに叩くミート打ちの感覚を取り戻すことです。また、打球時に上体が起き上がってしまうとボールが高く上がりすぎるため、膝を曲げて低い姿勢を維持したままスイングするように意識しましょう。
7-3. 「チャンスボールを打ち損じる」原因と対策
高く浮いたチャンスボールを空振りしたり、ホームランしてしまったりするのは、「力みによるフォームの崩れ」と「ボールとの距離感の誤り」が原因です。決めたいという気持ちが先行しすぎると、大振りになってしまいボールから目が離れてしまいます。対策は、チャンスボールが来たらまず深呼吸をするくらいの心の余裕を持ち、しっかりと足を出してボールに近づくことです。100の力で打つのではなく、コンパクトなスイングでボールの芯を正確に打ち抜くことに集中すれば、表ソフトの反発力だけで十分に威力のあるスマッシュを打つことができます。
7-4. 「威力が出ない・球が軽い」原因と対策
ミート打ちはできているのにボールに威力がなく、相手に簡単にブロックされてしまう場合は、「手打ちになっている」ことが原因です。腕の力だけでボールを弾こうとすると、ボールに体重が乗らず、軽くフワッとした球質になってしまいます。対策は、下半身を使った体重移動を意識することです。バックスイングで右足にしっかりと体重を乗せ、打球と同時に左足へ体重を移動させながら、腰の回転を使ってボールを押し込むように打ちます。体全体でボールにぶつかっていくイメージを持つことで、重くて威力のある重いボールへと変化します。
8. 用具選び:フォアハンドを活かすラバーとラケットの組み合わせ
表ソフトのポテンシャルを最大限に引き出すためには、自分のプレースタイルに合った用具選びが非常に重要です。
8-1. 回転系表ソフトとスピード系表ソフトの選び方
表ソフトラバーは、大きく分けて「回転系」と「スピード系」の2種類に分類されます。回転系表ソフトは、粒が太くて間隔が狭く、裏ソフトに近い感覚で打てるため、多少の回転をかけたり、安定してラリーを繋いだりしたい選手に向いています。表ソフト初心者にもおすすめです。一方、スピード系表ソフトは、粒が小さく間隔が広いため、球離れが非常に早く、強烈なナックルボールや高速スマッシュを打ちやすいのが特徴です。より前陣で攻撃的かつトリッキーなプレーを目指す上級者向けのラバーと言えます。自分の目指す卓球に合わせて、適切な系統のラバーを選択しましょう。
8-2. スポンジの厚さと硬さがフォアハンドに与える影響
ラバーのスポンジの厚さと硬さも、フォアハンドの球質に多大な影響を与えます。スポンジが「厚い」ほど反発力が高くなり、スピードのあるスマッシュが打ちやすくなりますが、その分コントロールは難しくなります。逆に「薄い」スポンジは、球離れが早くなりナックルが出やすくなる反面、自分から威力を出すのが難しくなります。また、スポンジが「硬い」とボールを弾く力が増し、スマッシュの威力と直線的な弾道が強調されます。「柔らかい」スポンジはボールが食い込みやすく、コントロール性能が高まります。一般的には、「中~厚」程度でやや硬めのスポンジを選ぶと、表ソフトらしい威力を発揮しやすくなります。
8-3. 表ソフトに合うラケット(木材・カーボン)の選び方
表ソフトラバーに合わせるラケットは、「球離れの早さ」と「弾きやすさ」を基準に選びます。打球感が硬く、反発力の高いラケットが適しています。代表的なのは、7枚合板などの硬めの木材ラケットや、カーボン素材が搭載された特殊素材ラケットです。しなりが強い(ボールを掴む感覚が強い)ラケットは、表ソフトの弾く感覚を相殺してしまうため、あまり相性が良くありません。ラケットの表面材が硬く、インパクトの瞬間にスパン!とボールを弾き出してくれるようなラケットを選ぶことで、フォアハンドのスピードとキレをさらに向上させることができます。
9. 表ソフトプレイヤーとして持つべき心構えとメンタル
最後に、表ソフトを使って勝つためのメンタルティと心構えについてお伝えします。技術だけでなく、考え方も裏ソフトとは変える必要があります。
9-1. ミスを恐れず強気に攻め続ける姿勢
表ソフトは、回転をかけて安定させる技術がない分、どうしてもミスがつきまとう戦型です。ネットミスやオーバーミスを恐れてスイングが縮こまってしまうと、表ソフトの良さであるスピードが消え、単なるチャンスボール製造機になってしまいます。「少々のミスは気にせず、常に先手を取って強打し続ける」というアグレッシブな姿勢が絶対に必要です。自分の攻撃力が相手のプレッシャーを上回るような、強気なメンタルを維持して試合に臨みましょう。
9-2. 相手の嫌がることを徹底的に突く思考
表ソフトプレイヤーは、常に「相手が何を嫌がっているか」を観察し、そこを徹底的に突く嫌らしい思考を持たなければなりません。相手がナックルボールを嫌がってネットミスをしているなら、ひたすらナックル性のブロックやプッシュを送り続けます。相手がフォア側への速い展開に追いつけていないなら、リスクを背負ってでもストレートへミート打ちを打ち込みます。自分が気持ちよく打つことよりも、相手のペースを乱し、不快な思いをさせるプレーを追求することが、表ソフトでの勝利への近道となります。
9-3. 長期的な目線でのフォーム改善と技術習得
表ソフト特有の「弾く」技術や「角度打ち」は、一朝一夕で身につくものではありません。特に裏ソフトから転向したプレイヤーは、これまでの癖を抜くのにかなりの時間を要するでしょう。最初から上手く打てなくても焦る必要はありません。自分のフォームを動画で撮影して客観的に分析し、指導者のアドバイスを素直に取り入れながら、少しずつ感覚を養っていく長期的な目線を持つことが大切です。諦めずに地道な反復練習を継続すれば、必ずあなただけの強力なフォアハンドが完成するはずです。
いかがでしたでしょうか。表ソフトラバーのフォアハンドは、裏ソフトにはない強烈なスピードと変化を秘めた魅力的な技術です。本記事で解説したラケットの角度、コンパクトなスイング、そしてフットワークと体重移動を意識して練習に取り組んでみてください。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、反復練習によって「弾く」感覚を掴めば、必ずやあなたの強力な武器となるはずです。

