「木材ラケットでは威力が足りないけれど、特殊素材ラケットは硬くて飛びすぎる…」とラケット選びに悩んでいませんか? 定番のアウターALCを試しても、球離れが早すぎてドライブが安定せず苦労する選手はとても多いです。そんな悩みを解決するのが、バタフライのフレイタスALCです。上板にやや柔らかい木材を採用し、アウターの反発力と木材のような球持ちを見事に両立しています。この記事では、実際に打って分かった性能レビューから他機種との違い、相性抜群のラバーまで徹底解説します。 ぜひ最後まで読み進め、あなたの両ハンド攻撃を劇的に進化させるヒントを掴んでください!
1. フレイタスALCとは?基本スペックと特徴を徹底解説
1-1. ポルトガルの名手マルコス・フレイタス選手との共同開発モデル
フレイタスALCは、卓球メーカーのバタフライ(株式会社タマスのブランド)から発売されている攻撃用シェークハンドラケットです。ヨーロッパ卓球界を代表するポルトガルのサウスポー、マルコス・フレイタス選手との共同開発モデルとして誕生しました。
フレイタス選手といえば、中陣から繰り出す回転量豊富な両ハンドドライブと、相手の強打を巧みにいなして反撃する高いオールラウンド能力が持ち味のトッププレーヤーです。彼はもともと、デンマークの天才プレーヤーであったマイケル・メイス氏のモデルである廃盤の名作ラケットメイスを長年にわたり愛用していました。
プラスチックボールへの移行に伴い、ボールの威力を維持しながらも従来の感覚を損なわない新しいラケットが求められるようになった際、フレイタス選手は埼玉県所沢市にある研究開発施設バタフライ・テックに直接足を運びました。そこで「十分な威力を出しつつも弾みすぎず、ボールをしっかり掴む球持ちの良いブレード」を追求し、試作と調整を重ねて完成したのがこのフレイタスALCです。デザイン面でもフレイタス選手自身のこだわりが強く反映されており、シルバーとブルーを基調とした落ち着きのあるシックなグリップデザインに仕上がっています。
1-2. フレイタスALCの基本スペックと合板構成
フレイタスALCの基本的なカタログスペックと構造は以下の通りです。
- 発売元:バタフライ(Butterfly)
- ラケット種別:攻撃用シェークハンド
- 合板構成:木材5枚+アリレート・カーボン2枚(アウター配置)
- 反発特性:11.4
- 振動特性:10.8
- ブレードサイズ:157×150mm(レギュラーサイズ)
- ブレード厚:6.0mm
- グリップ種類とサイズ(長さ×厚さ×エンド幅):
- FL(フレア):100×25×34mm
- ST(ストレート):100×23×28mm
- AN(アナトミック):100×25×34mm
- 平均重量:約88g〜90g前後(時期や個体により変動あり)
- 希望小売価格:19,800円(税込)
- 原産国:日本
最大の特徴は、特殊素材であるアリレート・カーボン(ALC)を上板のすぐ下に配置したアウター構造でありながら、反発特性が11.4、振動特性が10.8という絶妙な数値に設計されている点です。バタフライの代表的なアウターALCラケットであるビスカリアやティモボルALC(ともに反発特性11.8・振動特性10.3)と比較すると、反発をわずかに抑えつつ振動特性が高めになっており、手元にしっかりとした打球情報が伝わる設計になっています。
1-3. 上板に採用されたリンバ材が生み出す独自の打球感
フレイタスALCが他のアウターALCラケットと一線を画す最大の要因は、ラケットの表面(上板)に使用されている木材の種類にあります。
一般的なアウターALCラケットであるビスカリアやティモボルALC、樊振東ALCなどは、上板に硬質なコト材を採用しています。コト材は表面が硬いため、インパクトの瞬間にボールをパチンと鋭く弾き出し、初速の速い直線的なボールが出やすい反面、スイングスピードが追いつかないとボールが滑ったり球離れが早すぎると感じたりすることがあります。
一方、フレイタスALCは上板にコト材よりもやや柔らかい南洋材であるリンバ材系の木材を採用しています。リンバ材は、インナーフォースレイヤーALCなどのインナー系ラケットや5枚合板ラケットの上板によく使われる木材です。
このやや柔らかい上板を採用したことで、打球時にまず表面の木材がボールを「グッ」と一瞬包み込むように受け止め、その直後にすぐ下にあるアリレート・カーボンが反応してボールを力強く弾き出すという、二段階の打球感が生まれます。これにより、アウター特殊素材ラケットでありながら木材合板に近い球持ちの良さを体感できるのが最大の魅力です。
1-4. 板厚6.0mmのブレード設計がもたらす中陣での威力
上板を柔らかい木材にすると、通常であれば打球の威力やスピードが低下しやすくなります。しかし、フレイタスALCはブレードの板厚を6.0mmに設計することでこの課題を克服しています。
同社のビスカリアやティモボルALCの板厚は5.8mmですが、フレイタスALCはそれよりも0.2mm厚く作られています。卓球ラケットにおける0.2mmの差は非常に大きく、ラケット全体の剛性と打球の重さに直結します。
- 柔らかい上板:ボールを掴んで回転をかける役割
- アウター配置のALC:高い反発力と初速を生む役割
- 6.0mmの板厚:中陣からでも球威が落ちないパワーを生む役割
この3つの要素が噛み合うことで、前陣での小技から一歩・二歩下がった中陣でのダイナミックな引き合いまで、ボールが途中で失速することなく相手コートの深い位置まで突き刺さる威力を実現しています。
2. フレイタスALCを実際に試打した技術別パフォーマンスレビュー
2-1. ドライブ性能:アウターとは思えない球持ちと高い弧線
フォアハンドおよびバックハンドでドライブを打った際、真っ先に感じるのは弧線の高さと安心感です。
下回転に対するループドライブでは、上板のリンバ材がボールをしっかりと噛んでくれるため、薄く擦るようなスイングでもスリップすることなく強烈なスピンをかけることができます。硬いアウターラケットではネットミスやオーバーミスが出やすい場面でも、自分の指先にボールの重みを感じながらコントロールできるため、低く回転量の多いループドライブを安定して送り込めます。
上回転のラリーにおけるスピードドライブでは、ボールを厚く捉えてラケットに食い込ませるように打つと、アリレート・カーボンの本領が発揮されます。ネットの上を安全な高さで通過しながら、相手コートのエンドライン際で急激に沈み込むような力強い弾道を描きます。特に台から少し距離を取った中陣からの両ハンドドライブでは、インナーラケットのように無理な体勢からフルスイングしなくても、ラケットの反発力が飛距離を補ってくれるため、連続攻撃の精度が格段に上がります。
2-2. カウンターとブロック:相手の強打を吸収して押し返す安定感
現代卓球において勝敗を分けるカウンタードライブやブロックにおいても、フレイタスALCは非常に高い適性を示します。
相手の回転量の多いドライブに対して前陣〜中陣でカウンターを狙う際、上板が硬すぎるラケットだと相手の回転の影響をモロに受けて弾き飛ばされてしまうことがあります。しかしフレイタスALCは、インパクトの瞬間に上板がクッションのように相手の球威を一度吸収してくれるため、自分のスイングで回転を上書きして返球する感覚が掴みやすいです。
また、受動的なブロックを行う際にも、6.0mmというしっかりとした板厚があるおかげで、相手のパワードライブにラケット面が押し負けません。当てるだけのブロックでも自然と相手コート深くまで返球でき、少しラケットを前に押し出すカウンターブロックや、横回転を加えてコースを突くサイドスピンブロックなどの応用技術も自在に繰り出せます。
2-3. ミート打ちとスマッシュ:6.0mmの板厚を活かした弾きの良さ
「球持ちが良いドライブ向けラケット」と聞くと、スマッシュやミート打ちがやりにくいのではないかと懸念する方もいるかもしれません。しかし実際には、フラットに捉えるミート打ちやスマッシュも非常に爽快に決まります。
その秘密は、やはりアウター配置のALCと6.0mmの板厚にあります。しなりすぎる薄い5枚合板やインナーラケットとは異なり、ブレード自体の芯がしっかりしているため、浮いたボールをフラットに叩いた際にはエネルギーロスが少なく、心地よい金属音混じりの打球音とともに高速のスマッシュが放たれます。バックハンドでの角度打ちや弾き打ちでも、球が上に浮きすぎず狙ったコースへ直線的に打ち抜くことが可能です。
2-4. 台上技術とサーブ・レシーブ:回転のかけやすさとストップの注意点
サーブやツッツキといった回転をかける技術では、上板の柔らかさが大きなアドバンテージになります。
- サーブ:インパクトの瞬間にボールがラケット面に乗る時間が長いため、下回転サーブや横回転サーブでブッツリと切れた鋭い回転を生み出しやすく、ショートサーブの長さ調整も容易です。
- ツッツキ:相手のサーブに対してしっかりラケットの角度を合わせて差し込めば、低く鋭い切れ味のツッツキを相手のエンドライン深くへ送ることができます。
- チキータ・フリック:台上バックハンドドライブであるチキータでは、先端にしっかり重みを感じながらボールを擦り上げられるため、弧線を描いて相手コートに入る確率が高まります。
一方で注意が必要なのがストップです。木材合板ラケットやインナーラケットから乗り換えた直後は、アウターに配置されたアリレート・カーボンの反発力が小さなインパクトでも働くため、当てるだけのストップだと少しボールが浮いたり長くなったりすることがあります。ストップを短く止める際は、ボールのバウンド直後を捉え、ラケットの角度を少し寝かせながら力を抜いて吸収するタッチを身につけることがポイントです。
3. フレイタスALCとバタフライ他機種との徹底比較
3-1. ティモボルALC・ビスカリアとの違い
バタフライのアウターALCシリーズの中で、最も比較対象になるのがビスカリアおよびティモボルALCです。これら2機種とフレイタスALCの決定的な違いは、上板の材質と板厚、そして描く弾道にあります。
- 上板の違い:ビスカリア・ティモボルALCは硬いコト材、フレイタスALCはやや柔らかいリンバ材
- 板厚の違い:ビスカリア・ティモボルALCは5.8mm、フレイタスALCは6.0mm
- 反発・振動特性の違い:ビスカリア・ティモボルALCは反発11.8/振動10.3、フレイタスALCは反発11.4/振動10.8
実際に打ち比べると、ビスカリアやティモボルALCは「カチッ」とした硬質な打球感で、前陣でのカウンターや速い打点での連続攻撃において、鋭く直線的なボールで相手を追い詰めるのに適しています。
対してフレイタスALCは、「グッ」と球を掴んでから高い弧線を描いて飛んでいくため、前陣だけでなく中陣からのドライブ戦や、回転量の変化で勝負するラリー戦において圧倒的な安定感を発揮します。「ビスカリアを使ったけれど硬すぎて使いこなせなかった」という選手にとって、フレイタスALCは理想的な乗り換え先になります。
3-2. インナーフォースレイヤーALCとの違い
次に、特殊素材を内側に配置した大人気モデルインナーフォースレイヤーALCと比較してみましょう。実は、上板にリンバ材を使用している点と、板厚が6.0mmである点は両者で共通しています。
違いは純粋に、アリレート・カーボンが上板のすぐ下(アウター)にあるか、添芯の内側(インナー)にあるかという構造の差です。
- インナーフォースレイヤーALC(反発10.7/振動9.4):弱〜中インパクトでは完全に木材合板のような優しい打球感で、強くスイングした時だけ特殊素材の弾みが顔を出します。台上技術や前陣でのコントロールは抜群ですが、中陣に下がると自分の筋力でしっかり振らないとボールが浅くなりやすい側面があります。
- フレイタスALC(反発11.4/振動10.8):軽打や中程度のスイングでもアウター配置のALCが働き、楽にスピードと飛距離が出ます。それでいて上板がリンバ材なので、インナーからの移行でも打球感の違和感が非常に少ないのが特徴です。
「インナーフォースレイヤーALCを使っているけれど、もう少し楽にボールを飛ばしたい」「中陣からでも威力を出したい」と感じている方に、フレイタスALCは最高のステップアップモデルとなります。
3-3. 張本智和インナーフォースALCや樊振東ALCとの違い
近年人気の高い張本智和インナーフォースALCや樊振東ALCとも比較しておきましょう。
張本智和インナーフォースALCは、インナーフォースレイヤーALCをベースにブレードサイズを少し大きく(158×152mm)設計したモデルです。前陣でのバックハンドカウンターやブロックの安定感に特化していますが、振り抜きのシャープさや中陣での球足の速さでは、レギュラーブレードかつアウター構造のフレイタスALCに軍配が上がります。
また、樊振東ALCはビスカリアの系譜を継ぐコト材上板のアウターALCラケットです。グリップ形状は直線的で握りやすいものの、ブレードの性能自体はビスカリアと同様に硬質でスピーディーな前〜中陣向けです。球持ちの良さと弧線の作りやすさを重視するならフレイタスALC、初速の速さと弾きの強さを重視するなら樊振東ALCという選び分けが明確にできます。
3-4. 5枚合板・7枚合板の木材ラケットから移行した際のギャップ
コルベルやスワットなどの木材合板ラケットから特殊素材ラケットへ移行する際、多くの選手がぶつかる壁が「打球感の硬さ」と「球離れの早さによるスリップ」です。
木材ラケットはブレード全体がしなることで球を持つため、いきなりコト材のアウターラケットに変えると、しなりを感じられずにドライブがネットに直行したりオーバーミスを連発したりしがちです。
その点、フレイタスALCは上板のリンバ材が木材ラケットに近い「球を噛む感覚」を残してくれるため、スイングフォームを大きく崩すことなく特殊素材のスピードをプラスできます。また、板厚6.0mmという厚さは多くの7枚合板ラケットよりもややスリムで振り抜きやすく、かつ7枚合板以上の反発力と広いスイートスポットを得られるため、木材合板からの初めての特殊素材ラケットとしても非常に完成度が高い一本です。
4. フレイタスALCを使用するメリットとデメリット
4-1. フレイタスALCを選ぶ4つのメリット
フレイタスALCをメインラケットとして使用するメリットは、大きく分けて以下の4点に集約されます。
- アウターALC屈指の球持ちで強烈なスピンがかけられる上板のリンバ材がインパクト時にボールをしっかりホールドするため、擦り打ちでも食い込ませる打ち方でも、自分の意図した通りの回転量をボールに伝えることができます。
- 中陣からの引き合いで圧倒的な飛距離と安定感が出る6.0mmの板厚とアリレート・カーボンの組み合わせにより、台から下がってもボールが失速せず、高い弧線を描いて相手コートの深くへ安定して入ります。
- 組み合わせるラバーの許容範囲が非常に広いブレード自体に適度な柔らかさと弾みがあるため、硬い粘着テンションラバーから柔らかいスピン系テンションラバー、さらには表ソフトなどの異質ラバーまで、あらゆるラバーの良さを引き出してくれます。
- グリップがややしっかりめで握りやすく両ハンドが振りやすい フレア(FL)もストレート(ST)も手にしっくりと馴染む形状で、フォアとバックの切り替え時にラケット面がブレにくく、安定した両ハンド攻撃をサポートします。
4-2. 購入前に知っておきたい3つのデメリットと注意点
一方で、購入前に把握しておくべきデメリットや注意点も3つ存在します。
- コト材のアウターALCと比べると一撃の鋭さや硬質感は控えめビスカリアやティモボルALCのような「パチンと弾いて直線的に突き刺す」ような鋭い初速を求めている選手にとっては、球持ちが良い分だけ少しマイルドに感じられる場合があります。
- 木材やインナーラケットよりは台上が弾むため慣れが必要扱いやすいとはいえ、構造自体はアウターALCです。弱タッチでも一定の反発力があるため、ストップやショートサーブを短く収めるには指先の感覚を少し調整する必要があります。
- 6.0mm厚のため重量が重めの個体に当たりやすいブレード厚が6.0mmある影響で、市場に流通している個体は88g〜92g前後のやや重めのものが多く見られます。両面に重たいハードスポンジのラバーを貼ると総重量が190gを超えやすいため、購入時の重量指定やラバー選びの工夫が求められます。
4-3. ラケットの個体重量による性能の変化とおすすめの重さ
卓球のラケットは天然の木材を使用しているため、同じモデルでも1本ずつ重量が異なります。フレイタスALCを選ぶ際は、自分の体格やプレースタイルに合わせて個体重量を選ぶのが成功の秘訣です。
- 85g〜87g前後の軽量〜標準個体:前陣での素早い連打や、バックハンドの振り抜きやすさを最優先したい選手、また筋力にまだ自信がない中高生や女性プレーヤーにおすすめです。硬めで重いラバー(ディグニクス09Cやテナジー05など)を両面に貼っても、総重量を185g〜188g前後に抑えることができます。
- 88g〜92g前後の重量個体:中陣からのパワードライブで相手を打ち抜きたい選手や、相手の重いドライブにブロックやカウンターで絶対に押し負けたくない上級者におすすめです。ラケット自体の重みが遠心力を生み、軽いスイングでもズシリと重い球質のボールが走るようになります。
5. フレイタスALCが向いている選手・向いていない選手の特徴
5-1. フレイタスALCがおすすめな選手のプレースタイル
ここまでの特徴を踏まえると、フレイタスALCは以下のような選手にベストマッチします。
- 前〜中陣で回転量の多い両ハンドドライブを主軸に戦う選手
- 木材合板やインナーラケットから初めてアウター特殊素材へ移行する選手
- ビスカリアやティモボルALCを試して「硬すぎる・飛びすぎる」と感じた選手
- 一発のスピードだけでなく、ラリー戦での安定感やコース取りを重視する選手
- サーブやループドライブの回転量で主導権を握り、3球目・5球目攻撃で仕留めたい選手
特に、「自分の力でしっかり回転をかけたいけれど、ラケットにも威力を助けてほしい」という初中級者〜上級者まで、幅広い層の要求に高いレベルで応えてくれます。
5-2. 別のラケットを検討した方がよい選手のプレースタイル
反対に、以下のようなプレースタイルの選手は他のラケットを検討した方が満足度が高くなります。
- 台から一切下がらず、前陣での高速カウンターや弾き打ちだけで勝負する選手→ より球離れが早く直線的な弾道が出るビスカリアやティモボルALC、あるいは樊振東SUPER ALCなどが適しています。
- 台上技術やブロックの短さ・止まりやすさを何よりも最優先する選手→ 特殊素材が内側に入ったインナーフォースレイヤーALCや、5枚合板・7枚合板の木材ラケットの方が繊細なタッチを活かせます。
- アウターALCでも物足りないほどの圧倒的な飛距離と超高速球を求めるハードヒッター → 水谷隼ZLCや張継科SUPER ZLC、樊振東ZLCなどのZLカーボン搭載モデルの方が上限のスピードを引き出せます。
6. フレイタスALCに合うおすすめラバー7選【フォア・バック別】
6-1. マルコス・フレイタス選手本人の使用ラバーセッティング
まずは共同開発者であるマルコス・フレイタス選手本人が実際に使用しているラバーの組み合わせを見てみましょう。
- フォア面:ディグニクス09C(特厚)
- バック面:ディグニクス05(特厚)
かつては両面にテナジー05やフォア面にテナジー05ハードなどを使用していましたが、近年はフォア面に粘着性ハイテンションラバーのディグニクス09C、バック面に高回転ハイテンションのディグニクス05を採用しています。
このセッティングが非常に理にかなっている理由は、フレイタスALCの上板の柔らかさと6.0mmの板厚にあります。ディグニクス09Cは非常に硬いスポンジ(スプリングスポンジX・硬度44)を持っており、弾まないラケットに貼ると飛距離を出すのが大変ですが、フレイタスALCに貼ることでアウターALCの弾みが飛距離を補いつつ、上板の球持ちが粘着シートの回転力を最大限に引き出します。またバック面のディグニクス05は、中陣からのバックハンドドライブでもネットミスを防ぎ、鋭い弧線でカウンターを狙える王道の組み合わせです。
6-2. 王道の高回転ドライブを実現する「テナジー05」「ディグニクス05」
フレイタスALCの持ち味である「回転量と弧線の高さ」を極限まで活かすなら、バタフライのテナジー05およびディグニクス05が最もおすすめの選択肢です。
- テナジー05:スプリングスポンジ(硬度36)を採用し、少し体勢が崩れた場面や中程度のインパクトでもオートマチックに強い回転がかかります。フレイタスALCのフォア面またはバック面に貼ると、ボールを包み込む感覚が倍増し、ループドライブや中陣からの引き合いで抜群の安定感を誇ります。
- ディグニクス05:テナジー05よりも硬めのスポンジ(硬度40)と高いグリップ力を持つシートにより、強いインパクトで振り抜いた時の回転量の最大値とカウンターの威力がさらに向上します。スイングスピードに自信がある中上級者のフォア面・バック面の両方に強く推奨できます。
6-3. スピードと回転のバランスに優れた「テナジー80」「ディグニクス80」
「05系だと弧線が上がりすぎて少し前に飛ばしにくい」「ドライブだけでなくミート打ちやブロックのスピードも欲しい」という選手には、テナジー80やディグニクス80との組み合わせが最適です。
実はバタフライの公式サイトでも、フレイタスALCとテナジー80系(テナジー80およびテナジー80FX)の組み合わせは「広い領域でバランスの取れたプレーを可能にするセッティング」として推奨されています。
- フォア面を05系、バック面をテナジー80(またはディグニクス80)にするセッティング:フォアではしっかり弧線を作って回転で攻め、バックでは80系の球離れの良さを活かして速いピッチのブロックや弾き打ち、スピードドライブを織り交ぜることができます。
- バック面にテナジー80FXやテナジー64を貼るセッティング:さらに球持ちと軽さを重視するならテナジー80FX、中陣からのスピードドライブやブロックの球足を最優先するならテナジー64をバック面に合わせると、ラケット全体の重量も抑えられて振り抜きが格段に良くなります。
6-4. 粘着テンションで癖球と回転量を両立する「ディグニクス09C」「グレイザー09C」
近年流行している粘着性ハイテンションラバーとフレイタスALCの相性は、全ラケットの中でもトップクラスに優秀です。
硬いコト材のアウターラケットに粘着テンションを貼ると、表面だけでボールが弾かれてしまい、スポンジまで食い込ませるのにかなりのスイングスピードが要求されます。しかしフレイタスALCは上板のリンバ材がボールを一瞬掴んでくれるため、粘着シートにボールを乗せて擦り上げる感覚が非常に掴みやすいです。
- ディグニクス09C:上級者向け。台上でのストップがビタッと止まり、サーブの切れ味とカウンタードライブの沈み込みが異次元のレベルになります。
- グレイザー09C:ディグニクス09Cよりもスポンジ硬度を少し柔らかく(硬度42)設計したモデルです。価格も抑えられており、強いインパクトがなくても粘着テンション特有の「バウンド後に伸びる・沈むドライブ」と「切れたサーブ」を簡単に扱えるため、中級者のフォア面に一押しのラバーです。
6-5. 威力と安定感を高い次元で両立する「V>15 Extra」「V>20 Double Extra」
他メーカーのラバーと組み合わせる場合、VICTASのV>15 Extra(エキストラ)やV>20 Double Extra(ダブルエキストラ)との相性も抜群です。
- V>15 Extra:シートがやや硬めで、相手の回転に影響されにくいのが特徴のスピン系テンションラバーです。球持ちが良く高い弧線を描くフレイタスALCに貼ることで、V>15 Extraの武器である「カウンターのやりやすさ」と「ミート打ち・ブロックの鋭さ」に、ラケット側の「回転のかけやすさ」がプラスされ、弱点のない攻撃が可能になります。
- V>20 Double Extra:シートに天然ゴムの割合を多く配合し、グリップ力と打球の許容範囲(安心感)を高めたラバーです。特にフレイタスALCのバック面に貼ると、チキータやバックドライブの安定感が飛躍的に高まり、厳しいコースへも自信を持って振り抜けるようになります。
6-6. コントロールとグリップ力を重視する「ラクザX」「ファスタークG-1」
学生プレーヤーや社会人クラブ層から絶大な支持を集める、ヤサカのラクザXやニッタクのファスタークG-1もフレイタスALCと素晴らしいシナジーを生みます。
- ファスタークG-1:シートの粒形状が強く、しっかりスイングした時に重い回転球が出る王道ラバーです。木材ラケットに貼ると少しスピード不足を感じることがありますが、フレイタスALCに貼ることでアウターALCのスピードが加わり、中陣からでも相手を打ち抜ける威力と高い寿命(コスパ)を両立できます。
- ラクザX:表面のグリップ力が非常に高く、スリップしにくいラバーです。フレイタスALCの球持ちの良さと合わさることで、少し打点が落ちたボールでもしっかり持ち上げて相手コートにねじ込むことができ、ラリー戦での勝率を大きく引き上げてくれます。
6-7. 初中級者のステップアップに最適な「ロゼナ」「グレイザー」
「木材ラケットからフレイタスALCに変えたばかりで、いきなりプロ仕様の硬いラバーを貼るのは不安」という方には、バタフライのロゼナやグレイザーが最適です。
- ロゼナ:スプリングスポンジ(硬度35)を採用し、打球時の微妙なラケット角度の狂いを補正してくれる「トレランス(許容度)」の高さが特徴です。フレイタスALCのアウターの弾みを優しくコントロールできるため、まずは両面ロゼナ(またはバック面ロゼナ)から始めてラケットの感覚に慣れるのが賢い方法です。
- グレイザー:スプリングスポンジX(硬度38)を採用した次世代のスタンダードラバーです。ロゼナよりもシートの引っかかりが強く、ディグニクスシリーズに近い高い弧線を描けるため、基礎技術が固まってきた選手のステップアップ用としてフレイタスALCの性能を余すことなく引き出してくれます。
7. フレイタスALCの性能を長く引き出すメンテナンスと用具調整のコツ
7-1. 総重量のバランスを整えるラバーの厚さと重量選び
フレイタスALCを使用する上で、最もパフォーマンスを左右する隠れたポイントが総重量の調整です。
前述の通り、フレイタスALCは板厚が6.0mmあるため、ラケット単体で88g〜90g前後の個体が主流です。ここに両面ともカット後50g近い重たい特厚ラバーを貼ってしまうと、ラケットの総重量が190gを超えてしまい、前陣での素早い切り替えやバックハンドの振り抜きが鈍くなる原因になります。
快適に振り抜くための具体的な調整テクニックは以下の通りです。
- バック面にやや軽量なラバーを選ぶ:フォア面にディグニクス09CやファスタークG-1などの重量級ラバーを貼る場合、バック面には比較的重量が軽いディグニクス05、テナジー80FX、ロゼナなどを合わせることで、約3g〜6gの軽量化が可能です。
- ラバーの厚さを「厚(アツ)」にする選択肢:ラケット自体がアウターALC+6.0mm厚で十分に弾むため、片面(特にバック面)のスポンジ厚を「特厚」から「厚」に落とすのも非常に有効です。弾みはほとんど損なわれず、3g前後軽くなる上にブロックや台上ストップのコントロールが劇的に向上します。
7-2. サイドテープとラケットコートによるブレード保護のポイント
フレイタスALCの上板に使われているリンバ材は、繊維がやや柔らかくしなやかな木材です。そのため、ラバーを何度も貼り替える際に接着剤の剥がし方が強引だと、上板の繊維がささくれたり薄く木剥がれを起こしたりすることがあります。
大切なラケットを長く良い状態で使い続けるために、新品の段階でブレード表面にラケットコート(表面保護剤)を極めて薄く1回だけ塗っておくことをおすすめします。厚塗りすると打球感が硬くなってリンバ材特有の球持ちが損なわれるため、ティッシュやスポンジでサッと薄く伸ばしてすぐ拭き取る程度にするのがコツです。
また、台にぶつけた際のブレード側面の欠けやアリレート・カーボン層のほつれを防ぐため、10mm幅または12mm幅のサイドテープを巻いて保護しましょう。6.0mmの板厚には10mm〜12mm幅のテープがちょうど綺麗に収まります。
8. フレイタスALCで回転と威力を兼ね備えた両ハンド攻撃を手に入れよう
8-1. フレイタスALCの重要ポイント振り返りと最初の一歩
フレイタスALCの特徴とラバー選びのポイントを整理します。
- リンバ材の上板とアウターALCの組み合わせにより、「木材のような球持ち」と「特殊素材の威力」を高い次元で両立している
- 板厚6.0mmのブレード設計が、前陣だけでなく中陣からの両ハンドドライブでも押し負けない深い弾道と球威を生み出す
- ビスカリアやティモボルALCよりも打球感がマイルドで弧線が作りやすく、木材やインナーからの移行にも最適
- ラバーはテナジー・ディグニクス05/80系や09C系の粘着テンション、V>15 Extra、ファスタークG-1など幅広いモデルと好相性
「もっと威力のあるドライブを打ちたいけれど、ミスが増えるのは怖い」と感じているなら、フレイタスALCは間違いなくあなたのプレーを一段上のステージへ引き上げてくれる心強い相棒になります。ぜひ自分のプレースタイルに合った重量とラバーを組み合わせて、コートを広く使ったダイナミックな両ハンド攻撃を体感してみてください。

