卓球の試合で「威力」と「コントロール」の両立に悩んでいませんか?木材の打球感は好きだけど、プラスチックボールになってからスピード不足を感じる…その気持ち、非常に共感できます。そんなあなたを救うのが、STIGAの「インフィニティVPS V」です。世界トップ選手も愛用したこの5枚合板ラケットは、特殊技術による高い反発力と木材特有の球持ちを見事に両立しています。カーボン全盛の現代において、木材のフィーリングで勝負したい選手にこそ絶対におすすめです。本記事を読んで、あなたのプレースタイルを一段階引き上げるこの名品の実力と、相性抜群のラバーについて詳しく確認してみましょう!
1. インフィニティVPS Vとは?基本情報を徹底解説
1-1. インフィニティVPS Vの概要と歴史
インフィニティVPS Vは、スウェーデンの老舗卓球メーカーであるSTIGA(スティガ)が開発・販売している5枚合板の卓球ラケットです。このラケットを語る上で欠かせないのが、世界トップクラスの選手たちがこぞって愛用したという輝かしい歴史です。特に中国のトップ選手であり、世界ランキング1位に君臨した樊振東(ファン・ジェンドン)選手が若手時代に使用していたことで爆発的な知名度を得ました。彼の強烈なパワードライブと、繊細な台上技術を支えていたのがまさにこのラケットなのです。プラスチックボールへと移行し、用具にさらなるパワーが求められる現代卓球において、「5枚合板は威力が足りないのではないか?」と懸念する声もありました。しかし、インフィニティVPS Vはそうした常識を覆し、5枚合板ならではのコントロール性能を残したまま、カーボンラケットに引けを取らないほどの弾みとスピードを実現しています。発売から長年が経過した現在でも、トップ選手からアマチュアプレーヤーまで幅広い層に支持され続けている、まさにSTIGAを代表する歴史的名作ラケットと言えるでしょう。
1-2. 搭載されている独自技術「VPSテクノロジー」の秘密
インフィニティVPS Vの最大の特徴であり、その驚異的な性能を支えているのが、STIGAの独自技術である「VPS(Veneer Precision System)テクノロジー」です。この技術は、ラケットを構成する木材の「中芯」の隣にある添え芯に対して、正確な時間と温度の管理の下で特別な焼成プロセス(熱処理)を施すというものです。木材に熱を加えることで、木材内部の水分を極限まで飛ばし、軽量化と同時に硬度を高めることができます。これにより、通常の5枚合板では得られないような高い反発力と、打球時の振動を抑えるクリアな打球感が生み出されます。一般的な5枚合板は、ボールを深く掴む「球持ち」の良さが魅力ですが、強打した際のスピード不足が弱点とされがちです。しかし、このVPSテクノロジーを採用したことで、インフィニティVPS Vは木材特有の「ボールを掴む感覚」を維持したまま、インパクトの瞬間には鋭い弾きを生み出すことが可能になりました。つまり、軽打では木材らしくコントロールしやすく、強打では特殊素材ラケットのように弾むという、まさに理想的な性質を備えているのです。
1-3. ダイアモンドタッチテクノロジーによる表面加工
VPSテクノロジーに加えて、インフィニティVPS Vの性能をさらに高めているのが「ダイアモンドタッチテクノロジー」と呼ばれる表面加工技術です。これは、ラケットの表面の木材に対して非常に滑らかで硬い仕上げを施すSTIGA独自の技術です。ラケットの表面を触ってみると、他の一般的なラケットと比べてツルツルとした高級感のある質感が感じられるはずです。この加工により、ラケットの表面硬度が上がり、ボールを打った瞬間の球離れがわずかに速くなります。その結果、台上でのツッツキやフリック、ブロックといった技術において、相手の回転の影響を受けにくく、シャープでキレのあるボールを送ることができるようになります。また、表面が硬く滑らかになることで、ラバーを剥がす際にラケットの表面の木材が一緒に剥がれてしまう「板剥がれ」を防止する効果も期待できます。インフィニティVPS Vは、このダイアモンドタッチテクノロジーとVPSテクノロジーの相乗効果によって、他に類を見ない独特の打球感と高いパフォーマンスを実現しているのです。
1-4. スペック詳細(重量、板厚、ブレードサイズ)
インフィニティVPS Vの基本的なスペックについて詳しく見ていきましょう。まず重量についてですが、平均重量は約85g前後となっており、現代の卓球ラケットとしては標準的からやや軽めの部類に入ります。近年のラバーは重量化の傾向にあるため、ラケット本体が重すぎないことは、スイングスピードを維持する上で非常に大きなメリットとなります。次に板厚ですが、約5.8mm〜6.0mmに設定されています。これは5枚合板としては標準的な厚みであり、しなりを感じやすいため、回転をかける技術に優れています。板厚が薄いことで、台上での細かなラケット角度の調整も容易になります。ブレードサイズは標準的な大きさ(STIGAの基準サイズ)を採用しており、重心バランスが非常に良く設計されています。ラバーを両面に貼った状態でも先端が重くなりすぎず、手元に重心が寄るように感じられるため、実際の重量よりも軽く感じ、振り抜きやすさが抜群です。この絶妙なスペック設計が、連続攻撃や素早い切り返しを可能にし、現代卓球のスピーディーなラリー戦に対応できる理由の一つとなっています。
2. インフィニティVPS Vの打球感と性能レビュー
2-1. 5枚合板とは思えない「驚異的なスピード」
実際にインフィニティVPS Vを使用してボールを打ってみると、まず驚かされるのはその「圧倒的なスピード」です。従来の5枚合板ラケットのイメージで打球すると、良い意味で予想を裏切られます。中陣からフルスイングでドライブを放った際、ボールは弧線を描きながらも直線的なスピードを持って相手コートに突き刺さります。これは、前述したVPSテクノロジーによって硬く焼成された添え芯が、インパクトの瞬間に強力なトランポリン効果を生み出しているためです。カーボンや特殊素材が入っていない純木材ラケットでありながら、スマッシュやミート打ちをした際の初速の速さは、多くの7枚合板やインナーカーボンラケットを凌駕するほどです。特に、プラスチックボールになってからはボールの飛距離が出にくくなりましたが、インフィニティVPS Vであれば、自分の筋力以上のパワーをラケットがアシストしてくれる感覚が得られます。スピードを重視する攻撃型の選手にとって、この5枚合板離れした反発力は非常に心強い武器となるでしょう。
2-2. 木材ならではの「球持ち」と「コントロール性能」
スピードが抜群である一方で、インフィニティVPS Vは木材ラケットの醍醐味である「球持ちの良さ」と「優れたコントロール性能」を全く犠牲にしていません。強打時には弾く感覚が強いものの、ループドライブや台上での繊細なタッチを要求される場面では、ラケット全体が程よくしなり、ボールをラバーのシートとスポンジに深く食い込ませる感覚がしっかりと手に伝わってきます。この「ボールを長く持っている感覚」があるため、打球の瞬間にボールの軌道を微調整することが容易になります。例えば、相手の強烈なドライブをブロックする際、ただ当てるだけでなく、ボールの威力を吸収しながらコースを正確に突くといったプレーが非常にやりやすいです。また、サーブやレシーブなど、力よりも感覚が求められる技術においても、木材特有のマイルドな打球感が手助けとなり、自分の意図した通りの長短や回転量をコントロールすることができます。「弾むのに扱いやすい」という、相反する要素を高次元で融合させている点が、このラケットの最大の魅力と言えます。
2-3. 回転のかけやすさとループドライブの質
卓球において最も重要な要素の一つである「回転」に関しても、インフィニティVPS Vは非常に優れた性能を発揮します。5.8mm〜6.0mmという適度な板厚がもたらす「しなり」が、ボールに対して強烈なスピンをかける手助けをしてくれます。特に下回転に対するループドライブを打つ際、ラケットがボールを深く掴み、一気に回転をかけて弾き出す感覚は格別です。表面材の硬さと中芯のしなやかさのバランスが絶妙なため、擦るような打ち方でも、食い込ませるような打ち方でも、質の高い回転を生み出すことができます。インフィニティVPS Vで放たれたループドライブは、相手コートでバウンドした後にグンと伸びるような軌道を描き、相手のブロックのミスを誘発します。また、カウンタードライブを狙う際にも、相手の回転に負けずに自分の回転で上書きすることができるため、ラリー戦において常に主導権を握りやすくなります。回転量の多さとボールの伸びは、トップ選手がこのラケットを重宝した大きな理由の一つです。
2-4. 台上技術(ツッツキ、ストップ、フリック)のやりやすさ
現代卓球において勝敗を大きく左右するのが、ネット際での細かい攻防である「台上技術」です。インフィニティVPS Vは、この台上技術においても非常に高いポテンシャルを秘めています。ダイアモンドタッチテクノロジーによって表面が硬く仕上げられているため、ツッツキやストップといった技術を行う際、ボールがラケットにぼよんと飛び出すことがなく、自分の力加減でピタッと短く止めることができます。相手の短いサーブに対して、ネットすれすれの低いストップを送ることが容易なため、相手に先手を取らせません。また、攻撃的な台上技術であるフリックやチキータにおいても、ラケットの表面でボールを鋭く擦り上げることができるため、スピードと回転を両立した質の高い台上攻撃が可能です。ラケット自体の重量バランスが良いため、手首を柔軟に使うことができ、台上での細かなラケット操作が非常にスムーズに行えるのも大きなメリットです。台上から積極的に仕掛けていくスタイルの選手にとって、インフィニティVPS Vは最高の相棒となるでしょう。
2-5. ブロックとカウンターにおける安定感と威力
守備技術であるブロックや、そこからの逆襲であるカウンタープレーにおいても、インフィニティVPS Vの特徴が活かされます。特殊素材ラケットの場合、相手の強いボールに対して直線的に飛びすぎてしまい、オーバーミスをしてしまうことがありますが、インフィニティVPS Vは木材のしなりがボールの威力を程よく吸収してくれるため、ブロックの安定感が抜群です。ただ止めるだけのブロックだけでなく、ボールの側面を捉えて回転をかけるサイドスピンブロックや、ラケットを引いて威力を殺すストップブロックなど、多彩なブロック技術を駆使することができます。そして、ブロックで相手を崩した後のカウンター攻撃では、VPSテクノロジーによる高い反発力が火を噴きます。相手の威力を利用しつつ、自らのスイングスピードを乗せて放つカウンタードライブは、相手が反応できないほどのスピードと鋭いコースを突くことができます。「守って良し、攻めて良し」のバランスの良さが、ラリー戦での圧倒的な強さを生み出します。
3. インフィニティVPS Vのメリット・デメリット
3-1. インフィニティVPS Vを使用する最大のメリット
インフィニティVPS Vを選択する最大のメリットは、「特殊素材に頼らずに、現代卓球に必要なスピードとパワーを手に入れながら、純木材の繊細なコントロール感覚を維持できること」に尽きます。現在主流となっているカーボンラケットは確かに反発力が高く威力が出ますが、その分「球離れが早すぎる」「コントロールが難しい」「打球感が硬い」といった悩みを抱える選手も少なくありません。インフィニティVPS Vは、そうしたカーボンラケットの弱点を見事に克服しています。自分で打っている感覚がしっかりと手に伝わるため、ミスをした際の原因(角度が悪かったのか、スイングが遅かったのか等)が明確に分かりやすく、技術の向上に直結しやすいというメリットもあります。また、様々な種類のラバーと相性が良く、粘着ラバーからテンションラバーまで、どんなラバーを貼ってもラケットがその性能を引き出してくれるという汎用性の高さも、多くのプレーヤーから愛される理由の一つです。
3-2. 知っておくべきデメリットと注意点
非常に完成度の高いインフィニティVPS Vですが、いくつかのデメリットや注意点も存在します。まず一つ目は、「板剥がれが起きやすい可能性がある」という点です。ダイアモンドタッチテクノロジーによって表面は硬く加工されていますが、STIGAのラケットは伝統的に木材の性質上、強力な水溶性接着剤を使用してラバーを剥がす際に、表面の木材が薄く剥がれてしまうことがあります。これを防ぐためには、ラバーを貼る前にラケットコーティング剤(ラケットプロテクターなど)を薄く塗布しておくことを強く推奨します。二つ目は、後陣に下がった際の飛距離です。前陣から中陣にかけては申し分のないスピードと威力を発揮しますが、台から大きく下がった後陣からの打ち合いになると、さすがにアウターカーボンラケットのような「ボールが勝手に飛んでいく感覚」はありません。自分の筋力とスイングでしっかりとボールを飛ばす技術が求められるため、プレースタイルによっては後陣でのラリーに厳しさを感じるかもしれません。
3-3. インフィニティVPS Vはどんなプレースタイルの選手に向いているか?
インフィニティVPS Vは、その性能のバランスの良さから幅広い層におすすめできますが、特に以下のようなプレースタイルの選手に最適です。 1つ目は、前・中陣での両ハンドドライブ主戦型の選手です。ピッチの早いラリー戦の中で、木材の球持ちを活かして安定した連続ドライブを打ち込みたい選手には最高の武器になります。 2つ目は、台上技術やサーブレシーブといった細かな技術で先手を取りたい選手です。硬めの表面がもたらすシャープな台上処理は、チキータやストップを多用する現代的なプレーに非常にマッチします。 3つ目は、現在5枚合板を使っていて威力不足を感じているが、カーボンラケットには移行したくない選手です。インフィニティVPS Vはまさにその「中間」のニーズを満たしてくれる唯一無二の存在です。逆に、極端に後陣からロビングや引き合いで粘るプレースタイルや、スマッシュ一撃で決めるペン表速攻型の選手には、別のラケット(カーボン系や7枚合板など)の方が適している場合があります。
4. インフィニティVPS Vに絶対に合うおすすめラバー5選
インフィニティVPS Vの性能を最大限に引き出すためには、ラバー選びが非常に重要です。ここでは、このラケットと抜群の相性を誇るおすすめのラバーを5つ厳選して解説します。
4-1. 粘着ラバーの王道「キョウヒョウNEO3」(紅双喜)との相性
インフィニティVPS Vを語る上で絶対に外せないのが、中国の紅双喜が誇る粘着ラバー「キョウヒョウNEO3」との組み合わせです。実際にトップ選手たちが、このラケットのフォア面にキョウヒョウを貼って使用していました。インフィニティVPS Vの硬めの表面材と、キョウヒョウの硬いスポンジ・粘着シートの組み合わせは、まさに「鬼に金棒」です。擦り打ちをした際のスピン量はすさまじく、沈み込むような強烈なクセ球のループドライブを打つことができます。また、強く弾いた時にはVPSテクノロジーの反発力が加わり、粘着ラバーとは思えないほどのスピードが出ます。台上のストップはピタッと止まり、チキータも強烈な回転がかかるため、粘着ラバーユーザーであれば一度は試していただきたい、王道にして最強の組み合わせです。スイングスピードに自信がある中級者〜上級者のフォア面に特におすすめです。
4-2. スピードとスピンのバランス「ディグニクス05」(バタフライ)
現代最高峰のテンションラバーであるバタフライの「ディグニクス05」も、インフィニティVPS Vと素晴らしい相性を誇ります。ディグニクス05は非常に高いシートのグリップ力と反発力を持っていますが、硬いラケットに貼るとコントロールが難しくなる傾向があります。しかし、インフィニティVPS Vのような球持ちの良い5枚合板と合わせることで、ラケットがボールを掴む時間とラバーが弾き出すタイミングが完璧に同調し、信じられないほどの威力と安定感を両立させることができます。特に中陣からの引き合いや、カウンタードライブの際に、ディグニクス05の性能をラケットがしっかりとサポートしてくれます。弧線が高く上がりやすいため、ネットミスのリスクを大幅に減らしつつ、相手のコート深くへ突き刺さるようなドライブを連発することが可能です。フォア面・バック面のどちらに貼っても高いパフォーマンスを発揮します。
4-3. 安定感を求めるなら「テナジー05」(バタフライ)
長年にわたり世界中で愛され続けている名作ラバー「テナジー05」。ディグニクス05よりもややスポンジが柔らかく食い込みが良いため、インフィニティVPS Vの「木材のしなり」をさらに強調したい選手におすすめの組み合わせです。テナジー05特有のボールを深く包み込む感覚と、ラケットの球持ちが合わさることで、ループドライブの安定感と回転量は圧倒的なものになります。どんな体勢からでも、ラケットにボールさえ当てれば相手コートに返ってくれるような安心感があり、ラリー戦において絶対にミスをしたくない、粘り強い卓球を展開する選手に最適です。また、バックハンドでのブロックやミート打ちもやりやすく、攻守のバランスが極めて高い次元でまとまります。カーボンラケット+テナジーの飛びすぎに悩んでいる選手は、ぜひインフィニティVPS Vとの組み合わせを試してみてください。
4-4. コストパフォーマンスと威力「ファスタークG-1」(ニッタク)
日本のトップ選手からアマチュアまで圧倒的なシェアを誇るニッタクの「ファスタークG-1」。このラバーとインフィニティVPS Vの組み合わせは、コストパフォーマンスとトータルバランスにおいて最強クラスと言えます。ファスタークG-1はシートが硬く強い回転をかけられるのが特徴ですが、インフィニティVPS Vの程よい反発力と合わせることで、硬さを感じさせないマイルドな打球感へと変化します。ドライブを打つ際にボールが直線的になりすぎず、しっかりとした弧線を描いてくれるため、ドライブの連打が非常に容易になります。また、台上技術におけるツッツキの切れ味や、ブロックの安定感も抜群です。価格設定も比較的手に取りやすく、寿命も長いため、部活生から社会人プレーヤーまで、幅広い層のメインラケットとして自信を持っておすすめできるセッティングです。
4-5. バックハンドを強化する「ロゼナ」(バタフライ)
中級者や、バックハンドの技術向上を目指す選手におすすめしたいのが、バタフライの「ロゼナ」との組み合わせです。ロゼナはテナジーシリーズに使用されているスプリングスポンジを採用しつつ、寛容性を高めた(ミスを減らしてくれる)ラバーです。インフィニティVPS Vのバック面にロゼナを貼ることで、ブロックやミート打ち、バックハンドドライブといった技術の安定感が劇的に向上します。ラケット自体が軽量で振り抜きやすいため、バックハンドのコンパクトなスイングでも、ロゼナの反発力がボールをしっかりと相手コートの奥深くへ運んでくれます。打点が遅れてしまったり、体勢が崩れてしまったりした場面でも、ラバーとラケットがミスをカバーしてくれるため、プレッシャーのかかる試合の場面で非常に頼りになります。バックハンドのラリー力で勝負したい選手にとって、間違いのない選択肢となるでしょう。
5. インフィニティVPS Vのグリップ形状と選び方
STIGAのラケットはグリップの種類が豊富であることも魅力の一つです。インフィニティVPS Vのグリップ形状とその選び方について解説します。
5-1. FL(フレア)グリップの特徴とおすすめな人
FL(フレア)グリップは、ラケットの根元からエンド(一番下)に向かって末広がりになっている形状です。STIGAのFLグリップ(マスターと呼ばれることが多いです)は、手のひらにしっかりとフィットし、ラケットがすっぽ抜けるのを防いでくれるため、非常に握りやすいと定評があります。フォアハンドとバックハンドの切り替えを行う際にも、手の中で適度にラケットが遊ぶため、手首を柔軟に使ったプレーがしやすくなります。強烈なドライブを打つためにしっかりとラケットを握り込みたい選手や、重心がやや先端寄りに感じるため遠心力を活かしたスイングをしたい選手に最もおすすめのグリップです。日本の卓球市場でも最も流通量が多く、迷ったらFLグリップを選んでおけば間違いありません。
5-2. ST(ストレート)グリップの特徴とおすすめな人
ST(ストレート)グリップは、ラケットの根元からエンドまで太さが均一になっている形状です。STIGAのSTグリップ(クラシックと呼ばれます)は、やや丸みを帯びた形状をしており、手の大きさを問わずフィットしやすいのが特徴です。STグリップ最大のメリットは、プレー中にラケットの角度を微調整しやすいこと、そして反転技術(フォアとバックのラバーをクルッと回す技術)がやりやすいことです。また、台上での細かなラケットワークを行う際、グリップの太さが一定であるため、指先の感覚をボールに伝えやすいという利点もあります。バックハンド技術を多用する選手や、サーブやレシーブの際にグリップの握りを頻繁に変える選手、あるいは単純にストレートの握り心地が好きな選手には、STグリップが強く推奨されます。
6. インフィニティVPS Vのメンテナンスと長持ちさせるコツ
良いラケットを長く愛用するためには、日々のメンテナンスが欠かせません。ここではインフィニティVPS V特有の注意点を含めたメンテナンス方法を解説します。
6-1. ラケット表面の保護とラバーの貼り替え時の注意点
デメリットの項目でも触れましたが、STIGAのラケットは表面の木材が剥がれやすい(板剥がれ)傾向があります。インフィニティVPS Vはダイアモンドタッチテクノロジーで表面が硬く加工されているとはいえ、完全に防げるわけではありません。新品を購入した際は、ラバーを貼る前に必ず専用の「ラケットコーティング剤」を薄く塗布して、表面を保護してください。塗りすぎると接着剤が効かなくなりラバーが剥がれやすくなるため、スポンジなどで薄く均一に塗るのがコツです。また、ラバーを貼り替える際には、力任せに勢いよく剥がすのではなく、ラケットの斜め方向(木目に対して垂直に近い方向)から、ゆっくりと慎重に剥がすように心がけましょう。接着剤のカスが残った場合も、指でこすりすぎると木材を傷める原因になるため、専用のリムーバー等を使って優しく取り除くことが重要です。
6-2. 湿気対策と保管方法
純木材のラケットであるインフィニティVPS Vは、湿気の影響を非常に受けやすいという特性を持っています。木材が湿気を吸ってしまうと、ラケット本来の弾みが失われ、打球感が「ボテッ」とした重くて飛ばない感触に変わってしまいます。練習後や試合後は、ラケットケースにラケットを入れる前に、必ずラケット表面の汗や汚れをきれいに拭き取りましょう。また、ラケットケースの中に市販の「乾燥剤(シリカゲルなど)」を一緒に入れて保管することを強くおすすめします。特に日本の梅雨時から夏場にかけては湿度が高くなるため、湿気対策は必須です。車の中など、極端に温度や湿度が変化する場所に長時間放置することも、木材の変形や劣化を招くため絶対に避けてください。
6-3. エッジテープの活用で破損を防ぐ
台上技術の際などに、誤ってラケットを卓球台にぶつけてしまうことは誰にでもあります。インフィニティVPS Vは表面の板が比較的薄めの設計になっているため、台にぶつけた衝撃でラケットの縁(エッジ)から木材が割れたり欠けたりする危険性があります。これを防ぐためには、ラケットの側面にクッション性の高いエッジテープを貼ることが非常に有効です。エッジテープを貼ることで、物理的な衝撃からラケットを守るだけでなく、サイドからの湿気の侵入をある程度防ぐ効果や、重心を少し先端寄りに微調整する効果も得られます。大切なラケットを不慮の事故から守り、長く高いパフォーマンスを維持するためにも、エッジテープの着用を習慣づけましょう。
7. インフィニティVPS Vに関するよくある質問(FAQ)
7-1. 初心者が使っても扱えますか?
結論から言うと、初心者でも十分に扱うことが可能です。インフィニティVPS Vは「弾む」ラケットではありますが、あくまで純木材の5枚合板であるため、ボールをコントロールする感覚は非常に掴みやすいです。初心者が基礎的なフォームを身につけ、ボールに回転をかける感覚を養うためのラケットとして、むしろ適していると言えます。ただし、反発力が高い分、最初から極端に弾むテンションラバーを貼ってしまうとオーバーミスが増える可能性があります。初心者が使用する場合は、コントロール性能に優れた高弾性ラバーや、柔らかめのテンションラバー(例えばヤサカのマークVや、バタフライのロゼナなど)と組み合わせることで、正しいスイングとボールタッチを段階的に習得していくことができるでしょう。
7-2. 7枚合板やカーボンラケットとの違いは何ですか?
7枚合板やカーボンラケットとの最大の違いは、「打球時のしなり」と「ボールの掴み具合」にあります。7枚合板は木材が厚く層が多いため、しなりが少なく弾き出すスピードに優れています。カーボンラケットはさらに硬く、スイートスポット(芯)が広いため、どこに当たっても強烈なボールが飛びます。一方、インフィニティVPS Vのような5枚合板は、インパクトの瞬間にラケット全体が弓のように「しなる」ため、ボールがラケットに接触している時間が長くなります。これにより、自分の意思で回転量やコースを操りやすくなります。インフィニティVPS Vは、この5枚合板特有の「しなり」と「球持ち」を残したまま、VPSテクノロジーによって7枚合板やカーボンに近いスピードを実現している点が、他のラケットにはない唯一無二のアイデンティティとなっています。
7-3. ラバーを貼る際の接着剤の選び方は?
インフィニティVPS Vにラバーを貼る際の接着剤選びも、打球感を左右する重要な要素です。基本的には、各メーカーから発売されている水溶性接着剤(ファインジップやフリーチャックなど)を使用すれば問題ありません。より木材の打球感をダイレクトに感じたい場合は、サラサラとした液状で接着層が薄く仕上がる接着剤(バタフライのフリーチャック2など)がおすすめです。接着層が薄いほど、インフィニティVPS V特有の手に響くクリアな打球感が失われません。逆に、少し球持ちを良くしたい、あるいは打球感をマイルドにしたい場合は、ドロッとした乳液状で接着層が厚く仕上がる接着剤(ニッタクのファインジップなど)を選ぶと良いでしょう。また、ラバーを剥がす際の板剥がれリスクを軽減するためにも、極端に接着力が強すぎる接着剤の使用は避け、適度な接着力のものを選択することが無難です。
8. インフィニティVPS Vであなたの卓球を進化させよう
8-1. インフィニティVPS Vの魅力の総括
これまで解説してきたように、STIGAの「インフィニティVPS V」は、単なる5枚合板の枠に収まらない、非常に魅力的な性能を秘めたラケットです。VPSテクノロジーがもたらす特殊素材に匹敵する「圧倒的なスピードと反発力」。ダイアモンドタッチテクノロジーによる硬めの表面が実現する「鋭い台上技術とキレ」。そして何より、純木材だからこそ得られる「深い球持ちと卓越したコントロール性能」。これら相反する要素を一つのラケットの中で完璧なバランスで融合させている点こそが、世界中のトッププレーヤーから愛され、歴史的名作として語り継がれている理由です。前陣での速攻から中陣でのパワフルな引き合いまで、どんなプレースタイルにも高い次元で応えてくれる懐の深さを持っています。
8-2. 最後に
卓球において、用具選びは自身のプレーを形作る上で非常に重要な決断です。もしあなたが現在、「木材の打球感は好きだけど、もう少しボールの威力が欲しい」「カーボンラケットを使っているが、回転がかけにくくミスが多い」といった悩みを抱えているのであれば、インフィニティVPS Vは間違いなくその悩みを解決する強力な武器となるでしょう。本記事で紹介したおすすめのラバーとの組み合わせを参考に、ぜひあなたにとって最適なセッティングを見つけてみてください。インフィニティVPS Vが持つ無限の可能性が、あなたの卓球をさらなる高みへと引き上げ、勝利への大きな原動力となってくれることを確信しています。ぜひこの機会に、名器と呼ばれるその確かな実力を、あなた自身の手で体感してみてください。

