「もっと威力のあるボールを打ちたいけれど、コントロールが難しくなりそう」と悩んでいませんか? テンション系ラバーに挑戦したものの、弾みすぎてミスが増え、試合で勝てなくなったという声は少なくありません。 そこで救世主となるのが、ヤサカの「エクステンド」です。柔らかいシートとスポンジが抜群の安定感と適度なスピードを生み出します。 パワーに自信がないジュニアやレディース選手でも扱いやすく、高価格化が進む中で税込5,280円という手の届きやすい価格も魅力です。 本記事を参考にエクステンドの魅力を知り、あなたの卓球をワンランク上のステージへ引き上げましょう!
1. ヤサカ「エクステンド」とは?テンション系ラバーのスタンダードを徹底解剖
1-1. エクステンドの基本スペックと価格
エクステンドは、総合卓球メーカーである株式会社ヤサカ(Yasaka)が開発・販売しているテンション系裏ソフトラバーです。長年にわたり多くの卓球プレーヤーから愛され続けている超ロングセラー商品であり、その完成度の高さから卓球界において確固たる地位を築いています。価格は税込5,280円に設定されています。近年の高性能なテンション系ラバーは価格が高騰傾向にあり、1枚で8,000円から10,000円を超える製品も珍しくない中で、この5,000円台という価格設定は非常にコストパフォーマンスに優れていると言えます。スポンジの厚さは「特厚」「厚」「中厚」「中」の4種類という幅広いラインナップが用意されており、自分のプレースタイルや使用するラケットの弾みに合わせて、最も適した厚さを細かく選択することが可能です。スポンジ硬度は35〜40度となっており、ラバー全体として非常に柔らかい設計になっています。
1-2. なぜ「テンション系ラバーの決定版」と呼ばれるのか
ヤサカ公式のカタログや商品紹介ページにおいて、エクステンドは「テンション系ラバーの決定版」という力強いキャッチコピーで紹介されています。その最大の理由は、「どのようなレベルの選手が使っても、その恩恵を十分に感じられる圧倒的な扱いやすさ」にあります。テンション系ラバーとは、ゴムの分子構造に人工的な張力(テンション)をかけることで、ゴム本来の反発力以上のスピードやスピンを生み出す現代卓球の主流技術です。しかし、テンション系ラバーは弾みが強くなる分、ボールをコントロールするのが極めて難しくなるというデメリットも抱えています。エクステンドは、テンション系でありながら高弾性ラバーのような素直な操作性を残しており、「飛ぶけれど、決して飛びすぎない」「自分のスイングの力が正確にボールへ伝わる」という絶妙なバランスを実現しています。このバランスの良さこそが、「決定版」と称される所以です。
1-3. ドイツ製ラバーとしての特徴と品質
エクステンドは、最新の卓球用具技術が集約されている卓球大国、ドイツで製造された高品質なラバーです。ドイツ製のテンションラバーは、世界中のトッププロからアマチュア層まで幅広く愛用されており、その圧倒的な弾みと回転性能、そして高い品質管理には定評があります。ドイツ製ラバーの大きな特徴として、ゴムの品質が常に均一であり、気温や湿度の変化にも比較的強く、長期間安定した性能を発揮できるという点が挙げられます。エクステンドもこのドイツ製ならではの恩恵を十分に受けており、シート表面の均一な摩擦力や、スポンジ内部の気泡の整い方など、細部にわたって高いクオリティが保たれています。また、ドイツ製テンションラバー特有の「ボールがラバーの奥深くまでグッと食い込む感覚」が非常に強く現れているのも、エクステンドの大きな魅力の一つです。この「食い込みの良さ」が、プレーヤーに安心感を与え、思い切ったフルスイングを可能にしてくれます。
2. エクステンドの最大の特徴!柔らかさと威力の絶妙なバランス
2-1. 35〜40度という絶妙なスポンジ硬度がもたらす恩恵
エクステンドの性能を語る上で絶対に外せないのが、35〜40度という非常に柔らかく設定されたスポンジ硬度です。卓球のラバーにおけるスポンジの硬さは、打球感、ボールの飛び方、そして回転のかけやすさに直結する極めて重要な要素です。硬いスポンジのラバーは、トップ選手のように強烈なスイングスピードとインパクトがあれば高い威力を発揮しますが、インパクトが弱いとボールがスポンジに食い込まず、回転をかける前にボールが弾き返されてしまいます。一方で、エクステンドのような柔らかいスポンジは、軽い力で打球したとしてもボールがしっかりとラバー全体に食い込んでくれるため、誰でも簡単に、そして確実にボールへ回転をかけることができます。この恩恵により、試合中に体勢が崩れて手打ちになってしまった場合や、インパクトが不十分な場面であっても、ラバーが自動的にボールを掴んで持ち上げてくれる感覚が得られます。無駄なネットミスやオーバーミスを劇的に減らし、ラリーの安定感を高めるための最強のサポート機能と言っても過言ではありません。
2-2. 柔らかいシートが生み出す「心地よい打球感」
エクステンドは、下層のスポンジだけでなく、ボールが直接触れる表面のトップシートも非常に柔らかく、そしてしなやかに作られています。この「柔らかいトップシート」と「柔らかいスポンジ」の組み合わせが、他のラバーではなかなか味わうことのできない「極上の心地よい打球感」を生み出しています。ボールを強打した瞬間に「カンッ」「キンッ」といった金属音に近い高く澄んだ打球音が鳴り響きやすく、自分の打ったボールがしっかりとラケットの芯で捉えられていることを、耳から入る音と手に伝わる確かな感触の両方で確認することができます。この心地よい打球感は、日々の過酷な練習に対するモチベーション向上に大きく貢献しますし、何より「ボールを自分自身の意志でコントロールできている」という絶大な安心感をプレーヤーに与えてくれます。特に卓球を始めて間もない段階や、フォームを固めている最中のプレーヤーにとっては、ボールを打つ感覚を正しく養うことが非常に重要であるため、エクステンドの素直で心地よい打球感は、技術の習得スピードを大きく加速させる要因となります。
2-3. スピードドライブとミート打ちの威力が両立する理由
卓球界における一般的な常識として、「柔らかいラバーは回転はかけやすいけれど、反発力が弱いためスピードや絶対的な威力が物足りなくなる」とよく言われます。しかし、エクステンドはその常識を見事に覆しています。強いテンションがかけられたシートと弾力性のあるスポンジの相乗効果により、回転のかけやすさとラリーの安定性を極限まで高めながらも、決定打となるスピードドライブやミート打ちにおいて十分すぎる威力を発揮することができるのです。スピードドライブを放つ際は、ボールが一度ラバーの奥深くまで深く食い込んだ後、内蔵されたテンションの力で弓矢のように勢いよくボールを弾き出すため、相手コートの深い位置に突き刺さるような伸びのある鋭いボールを生み出します。また、ボールをフラットに弾く「ミート打ち(スマッシュ)」においても、柔らかいラバー全体がボールを優しく包み込み、そこから一気に弾き出す瞬間の爆発的な反発力がボールに強烈なスピードを付与します。回転をかけるドライブ技術と、弾き飛ばすミート技術、どちらの打法においても極めて高いレベルで性能を発揮できる汎用性の高さが、エクステンドが多くのプレーヤーから絶大な支持を集め続ける最大の理由の一つです。
3. マークVを基準とした性能評価(スピード・スピン・コントロール)
3-1. スピード11+:心地よい反発力が攻撃をサポート
ヤサカは自社のラバー性能を示す際、伝説的な高弾性ラバーである「マークV」の性能を「10」として基準値を設定しています。そのマークVと比較して、エクステンドのスピード性能は「11+」という高い評価が与えられています。この数値に「+」がついていることからも明確に分かるように、マークVを使用していた時よりも一段階、あるいはそれ以上のハッキリとしたスピードアップを体感することができます。しかし、ただ単に直線的に飛んでいくだけの暴れ馬のような、制御不能なスピードではありません。ボールがきれいな弧線を描きながら相手コートの深い位置に向かって飛んでいくような、質が高く安定したスピードボールを容易に打つことが可能です。この心地よい反発力は、後陣に下がっての引き合い(ドライブの打ち合い)や、台から遠い距離からの渾身のスマッシュにおいても、ボールが空中で失速せずに相手コートの奥深くまで届くのを強力に助けてくれます。自分自身の筋力以上のスピードを、ラバーのテンション性能が自然と補ってくれるという感覚を、打つたびに味わうことができるでしょう。
3-2. スピン12:回転のかけやすさが安定したラリーを生む
スピン性能に関しても、基準となるマークVの「10」に対して、エクステンドは「12」という非常に高い数値が設定されています。この並外れて高いスピン性能を実現している理由は、前述した通り「ボールがラバーに深く食い込むこと」に他なりません。打球時にボールとラバーが接触している時間(球持ちの時間)が長くなるため、その間にプレーヤーはしっかりとラバー表面で摩擦を生み出し、強烈な回転をボールに与えることができます。サーブやツッツキといった繊細なタッチが要求される台上技術においても、ラバー表面でボールが滑り落ちてしまうことなく、自分の意図した通りの強烈な下回転や横回転をボールに確実に伝えることが可能です。また、ループドライブ(回転量を最も重視した山なりのドライブ)を打つ際にも、相手の重い下回転のボールをいとも簡単に持ち上げることができるため、攻撃のバリエーションが飛躍的に広がります。「回転のかけやすさ」は、卓球というスポーツにおいて最大の安定感(ボールが台に収まる力)をもたらす最も重要な要素であり、エクステンドはその点で非常に優秀かつ実戦的なラバーと言えます。
3-3. コントロール8:テンション系でありながら扱いやすい操作性
コントロール性能の数値については、マークVの「10」に対して「8」という数値になっています。数値だけを見るとマークVよりも下がっているように感じますが、これはテンション系ラバー特有の「反発力の強さ」が影響しているためであり、決してコントロールが悪い、扱いづらいという意味ではありません。むしろ、市場に溢れている一般的な硬いハイテンションラバーと比較すれば、エクステンドのコントロール性能は非常に高い部類に入ります。ブロックやストップ、フリックといった極めて繊細なタッチと力加減が要求される技術においても、ボールが勝手に飛びすぎてしまうような暴発が極めて少なく、自分の思い描いたコース、深さへ正確にボールを運ぶことができます。スピードとスピンの最大値を高次元で引き上げつつ、テンションラバー最大の弱点である「コントロールの低下」を最小限に抑え込んでいる点が、エクステンドが「傑作」と呼ばれるゆえんの一つです。自分の感覚とボールの軌道にズレが生じにくいため、試合の緊迫した場面でも自信を持ってラケットを振ることができます。
4. エクステンドはどんなプレーヤーにおすすめ?
4-1. 初心者からのステップアップを目指す中級者
エクステンドを最も強くおすすめしたいターゲット層の一つが、卓球を始めて最初に貼った初心者用の高弾性ラバー(マークVやオリジナルエクストラなど)からのステップアップを目指している中級者の選手たちです。卓球の基本的なスイングが身につき、「もっと強いボールを打ちたい」「もっと遠くまでボールを飛ばしたい」と感じ始めたタイミングでエクステンドに移行すると、その劇的な性能アップの効果を最大限に実感することができます。いきなりトッププロ選手が使うようなカチカチに硬いハイテンションラバーに変更してしまうと、ボールが食い込まずにコントロールを完全に失い、無理にボールを入れようとして正しいフォームを崩してしまう危険性が非常に高いです。しかし、エクステンドであればこれまで培ってきた基礎的なスイングの感覚やフォームを全く変えることなく、打球のスピードと回転量だけを安全かつ確実に底上げすることができます。技術がどんどん吸収される成長期の中高生が、2枚目や3枚目のラバーとして選ぶのに、これ以上ないほど適したベストチョイスと言えるでしょう。
4-2. パワーに自信のないジュニア選手やレディース選手
ヤサカの公式情報でも明確に言及されている通り、エクステンドは小学生などのジュニア選手や、女性のレディース選手から長年にわたり絶大な人気を誇っています。その理由は非常に明確で、「自身の筋力やパワーが不足していても、ラバーが持つ高い反発性能がボールの威力をしっかりと補ってくれるから」です。子供や女性の選手は、一般の成人男性に比べてどうしてもスイングスピードやインパクトの強さで物理的に劣る場合があります。そのため、硬いラバーを使用してしまうとボールを十分に弾き返すことができず、ネットミスが増えたり、チャンスボールに対して決めきれなかったりする場面が多くなります。しかし、エクステンドのように非常に柔らかく、かつテンションの反発力を持ったラバーであれば、軽いスイングや小さなスイングであってもボールが奥深く食い込み、心地よい快音とともにスピードのある攻撃的なボールを飛ばすことができます。自身のパワー不足を、道具の優れた性能で賢くカバーしたいと考えるすべてのプレーヤーにとって、エクステンドは試合で勝つための最強の相棒となるはずです。
4-3. ブロックやミート打ちを多用する前陣速攻型の選手
ドライブを主戦武器として打ち合う選手だけでなく、卓球台のすぐ近くに張り付いてピッチの早いプレーを展開する前陣速攻型の選手にも、エクステンドは強くおすすめすることができます。特に、バックハンドで相手の攻撃をブロックしたり、浮いた球をミート打ち(スマッシュ)で弾き飛ばしたりするプレースタイルにおいて、エクステンドの柔らかさと弾きの良さは絶大な武器となります。相手の強烈なスピードドライブをブロックする際、柔らかいスポンジがボールの猛烈な威力を一度しっかりと吸収してくれるため、ボールがオーバーミスすることなく相手コートに短く、低く収まります。そして、相手のつなぎのボールが甘く浮いてきた際には、コンパクトなミート打ちでパチンと弾き飛ばすことで、一気に守勢から攻勢へと転じることができます。「守備時の圧倒的な球持ちの良さ」と「攻撃時の軽快な弾きの良さ」という、本来であれば相反するはずの二つの要素を一つのラバーの中で見事に両立しているため、前陣でのスピーディーなラリー展開において無類の強さを発揮します。表ソフトラバーのような弾く感覚を裏ソフトで求めている選手にも試してほしい一枚です。
5. エクステンドの性能を最大限に引き出す!おすすめのラケットとの組み合わせ
5-1. 弾みを補う5枚合板ラケットとの組み合わせ
エクステンドが持つ「柔らかさ」と「コントロール性能」という長所をバランス良く、そして最大限に引き出したい場合、すべて木材で作られた5枚合板のラケットとの組み合わせが非常に王道であり、最もおすすめできるセッティングです。木材5枚合板のラケットは一般的に打球時に「しなり」が発生し、ボールを長く持つ感覚に優れています。このラケットの特性にエクステンドを合わせることで、「ラケットの深いしなり」と「ラバーの深い食い込み」という強力な相乗効果が生まれ、圧倒的なコントロール性能と、うねるような重い回転量を手に入れることができます。自分自身のスイングの力でしっかりとボールを飛ばす感覚を基礎から養いたい成長段階の若手選手や、とにかくミスを減らして安定感を最優先し、粘り強いラリー戦で試合を制したいと考える技巧派の選手には、この木材5枚合板とエクステンドの組み合わせが間違いなくベストマッチと言えるでしょう。
5-2. 威力を底上げする特殊素材(カーボン等)ラケットとの相性
エクステンドの柔らかさや扱いやすさを最大限に活かしつつ、さらに一段上のスピードと決定的な威力を追求したい場合は、カーボンなどの特殊素材がブレードに組み込まれたラケットと合わせるのも、非常に効果的で現代的なアプローチです。特殊素材ラケットは反発力が極めて高い反面、打球感が硬く弾きやすくなり、ボールをコントロールするのが難しくなるという明確なデメリットがあります。しかし、そこに非常に柔らかく球持ちの良いエクステンドを貼ることで、ラケットの硬さをラバーの柔らかさで見事に中和し、「強烈な弾みがありながらも、しっかりとボールを掴んで離さない」という、多くの選手が夢見るような理想的なラケットを作り上げることができます。特殊素材ラケットと組み合わせることで、エクステンドの持つスピード性能「11+」を、体感で「13」や「14」のレベルへと引き上げることが可能になり、一撃必殺の威力を手に入れることができます。
5-3. プレースタイル別:フォア面・バック面のどちらに貼るべきか
エクステンドはフォア面とバック面のどちらに貼っても極めて優れた性能を発揮しますが、プレーヤーの体格やプレースタイルによって推奨される使い方は異なります。まず結論から言うと、バック面に使用するのはレベルや性別を問わず、すべての選手に強くおすすめできます。バックハンドはフォアハンドに比べて体の構造上スイングの可動域が狭く、強いインパクトを出すのが難しい技術です。そのため、少ない力でもボールを深く食い込ませて飛ばすことができるエクステンドの特性が、バック面において最大限に活きるからです。一方、フォア面に貼る場合は、自分の持っている筋力と相談する必要があります。パワーのある成人男性などがフォア面に貼ってフルスイングした場合、ボールが柔らかいスポンジを突き抜けてラケットの板まで到達してしまい、威力が頭打ちになる(卓球用語で「スポンジが底突きする」と呼ばれる現象)可能性があります。そのため、パワーに溢れる選手はバック面にのみエクステンドを貼りフォア面にはより硬いラバーを、一方でパワーに自信のないジュニアやレディース選手はフォアとバックの両面にエクステンドを貼るという構成が、最も理にかなっており、ラバーの性能を100%引き出せるセッティングと言えます。
6. エクステンドと他のヤサカラバーとの比較
6-1. 王道「マークV」からエクステンドに移行するメリット
ヤサカを代表する、ひいては卓球界を代表する超ロングセラーラバー「マークV」から、次のステップとしてエクステンドに移行する選手は全国に数多く存在します。マークVは「高弾性高摩擦ラバー」の最高峰に位置づけられており、自分の振ったスイングの力に対して、ごまかしのない非常に素直なボールが出るのが最大の特徴であり長所です。そこからエクステンドに移行する最大のメリットは、「現代卓球で勝ち上がるために不可欠な、基礎的なスピードと飛距離の圧倒的な向上」に尽きます。プラスチックボールが主流となり、ボールの空気抵抗が増して弾まなくなった現代の卓球においては、マークVの弾みだけでは後陣からのラリー戦でどうしても打ち負けてしまう場面が増えています。エクステンドに変えることで、マークVと同じスイング幅、同じ力感で打ったとしても、ボールがより深く、より速く飛んでいくようになり、現代卓球の高速ラリーに余裕を持って対応できるようになります。マークVでしっかりと身につけた正しいスイングの基礎や打球感覚を壊すことなく、ワンランク上のスピードを無理なく手に入れられるのがエクステンドの強みです。
6-2. 「エクステンドHS」との違いと選び方
ヤサカのラバーラインナップには、無印のエクステンドの派生上位モデルとして「エクステンドHS」というラバーも存在しています。この「HS」という名前は「ハードスポンジ(Hard Sponge)」の略称であり、その名の通りエクステンドの柔らかいスポンジを硬く改良し、全体の反発力と最高到達スピードをさらに高めた攻撃特化のモデルとなっています。無印のエクステンドが35〜40度という非常に柔らかい硬度であるのに対し、エクステンドHSはそれよりも数度硬めに設定されています。選び方の明確な基準としては、「ブロックの安定感や柔らかい打球感を重視し、まずは確実に相手コートにボールを入れることでラリー戦を制したい」のであれば無印のエクステンドを選択し、「無印のエクステンドの弾みでは少し物足りなくなり、もっと威力のある一撃必殺のドライブで相手を打ち抜きたい、パワーで押し切りたい」と考えるようになったらエクステンドHSを選ぶのが最適なルートです。自分の技術レベルの成長や筋力の向上に合わせて、同じ「エクステンド」というシリーズ内でスムーズにステップアップできるのも、ヤサカラバーの大きな魅力の一つです。
6-3. 「ラクザ」シリーズと比較した時のエクステンドの立ち位置
ヤサカの現在の主力ハイエンドラバーとして、トッププロから圧倒的な支持を集めて君臨しているのが「ラクザ」シリーズ(ラクザX、ラクザ7など)です。ラクザシリーズは天然ゴムの比率を極限まで高めたシートを採用しており、強烈なスピンと、相手のラケットを弾き飛ばすような重いボールを打つことに特化しています。この最高峰のラクザシリーズと比較した場合、エクステンドは「絶対的な威力の最大値や回転量の限界値では一歩譲るものの、軽い力で打った時の軽快な弾きと、どんな体勢からでもボールが入る圧倒的な扱いやすさでは完全に勝っている」という明確な立ち位置になります。ラクザシリーズは高い性能を100%引き出すために、選手側に十分なパワーと正確なインパクト技術を厳しく要求します。そのため、「評判が良いからラクザを使ってみたけれど、硬すぎてボールがネットに直行してしまった」という選手が、エクステンドの扱いやすさを求めて戻ってきたり、あえてエクステンドを使い続けたりするケースも少なくありません。無理をして背伸びをし、自分の実力に見合わない難易度の高いラバーを使うよりも、自分の力量とスイングスピードにピッタリと合ったエクステンドを使う方が、試合でのミスが減り、結果として勝率は間違いなく上がります。
7. ラバーの寿命と適切なメンテナンス方法
7-1. テンション系ラバー特有の劣化のサイン
エクステンドのようなテンション系ラバーは、ゴムの内部に常にピンと張った負担(張力)がかかっている状態であるため、高弾性ラバーなどの従来型ラバーに比べて寿命がやや短くなる傾向があります。使用頻度にもよりますが、一般的に週に2〜3回の部活動や練習を行う選手で約2ヶ月〜3ヶ月、毎日のように何時間もハードな練習をこなす選手であれば1ヶ月〜1ヶ月半が寿命(貼り替えのタイミング)の目安となります。ラバーが劣化してきたサインとしては、「シート表面の美しいツヤが消えて全体的に白っぽくなる」「指で触ってもボールが引っかからず、ツルツルと滑るようになる」「打球時の心地よい高い音が鈍くなり、ボールが全く弾まなくなる」といった目に見える現象が現れます。また、テンション系特有の物理的な劣化として、ラケットにぶつけていないにも関わらずラバーの縁(エッジ)部分からボロボロとゴムが欠け落ちてくることがあります。これらのサインが複数見られたら、エクステンド本来の素晴らしい性能が完全に失われている証拠ですので、技術の低下を招かないためにも早めに新しいラバーに貼り替えることを強くおすすめします。
7-2. 粘着保護シートやクリーナーを使った日常のお手入れ
エクステンドを少しでも長く、購入時の良い状態で使い続けるためには、練習後の日々のこまめなメンテナンスが絶対に欠かせません。激しい練習が終わった後は、ラバーの表面に目に見えないホコリや卓球台のチリ、手から出た汗や皮脂などの汚れが大量に付着しています。これをそのまま放置してはいけません。ヤサカから発売されている専用のラバークリーナー(泡タイプやミストタイプが一般的です)をラバー表面に適量吹きかけ、専用の拭き取り用スポンジを使って優しく、円を描くように汚れを落としていきましょう。この時、汚れを落とそうとして強く擦りすぎると、逆に摩擦でデリケートなシート表面を傷める原因となるため細心の注意が必要です。汚れを綺麗に落とし、表面の水分が完全に乾いたことを確認したら、空気が絶対に入らないように注意しながら、専用のラバー保護シートを密着させて貼り付けて保管してください。テンション系ラバーは空気に触れることで急激に酸化が進み、ゴムの劣化が進行するため、この保護シートによる完全な密閉作業がラバーの寿命を何倍にも大きく左右します。
7-3. エクステンドを長く良い状態で使い続けるためのコツ
日常のクリーナーを使った基本の清掃に加えて、テンション系ラバーであるエクステンドを極力長持ちさせるためのちょっとしたコツがあります。それは「温度や湿度の急激な変化を避けること」です。卓球のラバーは非常に繊細なゴム製品であるため、極端な高温や低温、そして直射日光に非常に弱く、すぐに変質してしまいます。例えば、真夏の炎天下の車の中にラケットケースを数時間放置したり、冬場にストーブなどの暖房器具のすぐ近くにラケットを置いたりすると、エクステンドの命である柔らかいスポンジやテンションシートが一瞬で溶けたり硬化したりして変質してしまい、本来の反発力や打球感が完全に失われてしまいます。ラケットを保管する際は、風通しの良い日陰や、一年を通して温度変化の少ない室内に置くことを常に心がけてください。また、湿気が極端に多い梅雨の時期などは、ラケットケースの中に卓球用の専用乾燥剤を一緒に入れておくことで、湿気によるラバーの劣化やラケットの木材の変形を未然に防ぐことができます。
8. ヤサカ「エクステンド」で卓球のレベルアップを果たそう
8-1. 柔らかく扱いやすいテンションラバーは上達の近道
ここまで、ヤサカの超ロングセラーモデル「エクステンド」の性能の秘密、魅力、そして最大限に活かすための特徴について非常に詳しく解説してきました。卓球というスポーツにおいて「用具選び」はプレーの質や試合の勝敗を大きく左右する極めて重要な要素ですが、その中でも特に「自分の現在の実力に合った、背伸びをしない扱いやすいラバーを選ぶこと」は、技術向上のための最大の近道です。威力ばかりを無闇に求めて硬く弾みすぎるハイエンドラバーを選んでしまうと、ボールを台の中に入れることばかりに意識が向いてしまい、正しいスイングフォームや多彩な戦術を身につけることが全くできなくなってしまいます。その点、エクステンドが持つ「圧倒的な柔らかさから生まれる絶対的な安定感」と「テンション系ならではの心地よい適度なスピード」は、プレーヤーに大きな安心感を与え、試合の緊張した場面でも思い切ったフルスイングを可能にしてくれます。ミスを恐れずに自分の力を100%出し切ることができる、成長のための素晴らしいラバーです。
8-2. 自分に合った厚さ(特厚・厚・中厚・中)を選んで理想のプレーを
エクステンドは特厚、厚、中厚、中と、プレーヤーのニーズに応える4種類の厚さがしっかりと用意されているため、自分のレベルや目的に合わせてミリ単位での微調整ができるのも非常に嬉しいポイントです。スピードと威力を最大限に重視するなら「特厚」や「厚」を、ブロックのコントロールやツッツキなどの台上技術のやりやすさを最優先するなら「中厚」や「中」を選ぶと、理想のプレーに近づくことができるでしょう。価格も税込5,280円と、1万円を超えるラバーが珍しくない現在の卓球用具市場においては非常に良心的でコストパフォーマンスに優れた設定となっており、お小遣いでやりくりする学生のプレーヤーでも継続して使用しやすい魅力的なラバーです。「テンション系ラバーの決定版」として、発売から現在に至るまで長年愛され続けているヤサカのエクステンド。スピードとコントロールの究極の両立に悩んでいる方は、ぜひ一度その心地よい打球音と圧倒的な安定感を実際の卓球台で体感してみてください。あなたのこれからの卓球人生をさらに楽しく、そして数多くの勝利へと導いてくれる、最も頼もしいパートナーとなってくれるはずです。

