「ラケットが重くて振り切れない」「守備も攻撃も安定させたい」と悩んでいませんか?近年のラバーは重量化が進み、従来の5枚合板でも重すぎてスイングが鈍り、ミスが増える選手が続出しています。そんな悩みを解決するのが、JUICの竹製ラケット「テナム」です。平均74gの超軽量設計と竹特有の柔らかいしなりが、抜群の操作性と球持ちを実現します。本記事では、テナムの徹底レビューから戦型別に合うおすすめラバーまで詳しく解説します。自分にぴったりの組み合わせを見つけて試合で勝ちたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. ジュウイック(JUIC)の「テナム」とは?竹素材を採用した唯一無二のラケット
卓球メーカーの中でも、独自性あふれる用具開発で多くのファンを魅了し続けているのがJUIC(ジュウイック)です。そのJUICが送り出したシェークハンドラケット「テナム(tenamu)」は、現在の卓球市場において極めて珍しい「竹(バンブー)」を素材に採用した5枚合板ラケットとして大きな注目を集めています。まずは、このユニークなラケットが誕生した背景や基本スペック、そして過去の名作との繋がりについて詳しく紐解いていきましょう。
1-1. 韓国語で「竹」を意味するネーミングと開発の背景
ラケット名の「テナム」とは、韓国語で「竹」を意味する言葉です。その名の通り、ブレードの上板(表面材)に天然の竹素材を使用していることが最大のアイデンティティとなっています。一般的な卓球ラケットは、リンバ、コト、ヒノキ、アユース、桐といった木材を組み合わせて作られますが、あえて「竹」に着目した点にJUICの深いこだわりがあります。
このラケットが開発された背景には、現代卓球における「用具の重量化問題」があります。プラスチックボールへの移行やスピン系テンションラバーの進化に伴い、現代の裏ソフトラバーはスポンジの密度が高まり、1枚あたりの重量が以前よりも格段に重くなっています。その結果、「従来なら初心者から上級者まで誰もが扱えたオーソドックスな5枚合板ラケットでも、ラバーを貼ると重すぎて初級者や中級者では振り切れない」という深刻な悩みが、全国の指導者やコーチ陣から多く寄せられるようになりました。
ラケットを軽くするだけなら、ブレードの板厚を薄くしたり、ブレード面積を小さくしたりする方法もあります。しかし、無理にブレードを薄くすると反発力が著しく低下し、ボールが飛ばなくなってしまいます。そこでJUICが目をつけたのが「素材自体が軽量でありながら、繊維が強靭で適度な反発力としなりを持つ竹素材」だったのです。
1-2. テナムの基本スペックと外観・構造の特徴
テナムの具体的な製品スペックを整理すると、以下のようになります。
- メーカー
JUIC(ジュウイック) - 商品名
テナム(tenamu) - 価格
8,250円(税込)/7,500円(税抜) - 合板構成
5枚合板(表面材に竹を使用) - ブレードサイズ
縦155mm×横152mm - ブレード厚
6.2mm - 平均重量
74g±10g - 打球感
S(ソフト) - グリップ
FL(フレア) - 適正(戦型)
ALL(オールラウンド) - 公認
JTTA公認ラケット
外観上の大きな特徴は、一目で竹だとわかる美しい表面の仕上がりです。通常の木材ラケットのような木目とは異なり、縦方向にまっすぐ繊維が走る中に、ところどころ竹特有の「節(ふし)」のような模様が見られます。また、箱から取り出して手に取ると、ほのかに竹ならではの爽やかな香りが漂い、他のラケットにはない新鮮な所有感を満たしてくれます。
1-3. 名作「バンブーショット」から受け継がれた系譜と進化のポイント
実は、JUICが竹素材を使用したラケットを発売するのはテナムが初めてではありません。遡ること2005年、同じくJUICから「バンブーショット」という竹製ラケットが発売されており、異質攻守型やカットマン、コントロールを重視するプレーヤーの間で隠れた名作として長く愛されていました。
しかし、バンブーショットが廃番となった後、多くの愛好家から復活を望む声が寄せられていました。その声に応え、現代の卓球スタイルに合わせてブラッシュアップされた後継・進化モデルが「テナム」です。前身モデルであるバンブーショットとテナムを比較すると、上板に竹を使用している点やブレードサイズ、板厚には大きな違いはありません。しかし、内部の木材選定や乾燥・加工技術を見直すことで、バンブーショットよりも平均重量で約10gもの大幅な軽量化に成功しています。「竹のしなり」という長所はそのままに、「圧倒的な軽さ」という武器をさらに先鋭化させたのがテナムの進化ポイントです。
2. テナムが持つ4つの大きな特徴と強み
テナムは単に「竹を使っていて珍しい」だけのイロモノラケットではありません。実戦においてプレーヤーを助ける明確な設計思想と、理にかなった物理的特性を備えています。ここでは、テナムが持つ4つの核となる強みを詳しく解説します。
2-1. 板厚6.2mmでありながら平均74gを実現した圧倒的な軽量性
テナムの最大の武器は、なんといっても「板厚6.2mmでありながら平均重量74g」という驚異的な軽さにあります。一般的なオールラウンド用の5枚合板ラケットは、板厚が5.5mm〜5.8mm程度で、重量は80g〜85g前後が標準的です。もし通常の木材で板厚を6.2mmに設計すれば、重量は85g〜90g近くになることも珍しくありません。
しかしテナムは、上板の竹素材をはじめ、芯材や添材にも厳選された軽量木材を組み合わせることで、6.2mmというしっかりとした厚みを保ちながら70g台前半の重量を実現しています。ブレードに十分な厚みがあるため、軽量ラケットにありがちな「スカスカしてボールが全く飛ばない」「相手の強打にラケットが負けてしまう」という弱点が解消されており、オーソドックスな5枚合板と同等の適度な弾みを確保している点が極めて優秀です。
2-2. 竹素材ならではの「柔らかいしなり」と抜群の球持ち
竹という植物は、強風や雪の重みにも折れずに曲がり、しなやかに元の形へと戻る性質を持っています。この特性はラケットのブレードになっても健在です。テナムでボールを打球すると、インパクトの瞬間にブレード全体が柔らかくしなり、ボールをグッと包み込むような感覚(球持ちの良さ)が手に伝わってきます。
カタログ表記の打球感が「S(ソフト)」となっている通り、硬質な特殊素材ラケットや硬い7枚合板のようにボールがすぐに離れてしまうことがありません。ラケット面でボールを長く乗せることができるため、自分の意図した方向へ正確にコントロールしやすく、回転をかける感覚も掴みやすいのが大きな魅力です。特に、スイングスピードがまだ発展途上にある選手でも、ラケット自体がしなやかにたわんでくれるため、自然と弧線を描く安定したボールを打つことができます。
2-3. 縦155mm×横152mmのブレード設計が生み出す広いスイートスポット
テナムのブレードサイズを見ると、「縦155mm×横152mm」という少し特徴的な寸法になっています。一般的な攻撃用シェークハンドラケットの標準サイズは「縦157mm×横150mm」前後であり、守備用(カット用)ラケットは縦横ともにさらに大きく作られます。
つまりテナムは、標準的なラケットよりも縦が約2mm短く、横幅が約2mm広い「やや丸みを帯びたワイド形状」を採用しています。この絶妙なサイズ設計には2つの大きなメリットがあります。 1つ目は、縦の長さが155mmとコンパクトであるため、先端に重心が偏らず、台上の細かい操作やコンパクトなスイングが非常にやりやすいことです。 2つ目は、横幅が152mmと広めに確保されているため、スイートスポット(芯)が横に広く、多少打球点がズレても安定した返球ができることです。これにより、前陣でのブロックから中・後陣でのカットまで、幅広い領域でミスの少ないプレーが可能になります。
2-4. 弾くプレーも抑えるプレーもそつなくこなすオールラウンド性能
柔らかいしなりを持つラケットは「ドライブやカットはやりやすいけれど、スマッシュやミート打ちなどの弾く技術がやりにくい」という傾向が出やすいものです。しかし、テナムは表面の竹素材が持つ繊維の張りと、6.2mmという板厚の恩恵により、フラットに弾くプレーもそつなくこなせるバランスの良さを持っています。
擦り打ちをすれば竹のしなりが活きて強い回転がかかり、ミート打ちをすれば6.2mmのブレード厚がしっかりとボールを押し出してくれます。まさにJUICが掲げる「ALL(オールラウンド)」の適正通り、攻撃と守備、回転とスピードのバランスが高次元でまとまった万能ブレードと言えます。
3. 【技術別レビュー】テナムを実際に打ってわかった使用感と性能評価
ここからは、実際にテナムにラバーを貼って試打した際の具体的な使用感について、卓球の基本技術ごとに掘り下げてレビューしていきます。
3-1. ドライブ・スマッシュ(攻撃技術):回転のかけやすさとコース突きの鋭さ
まずフォアハンドおよびバックハンドでのドライブ技術ですが、「ボールを掴んで持ち上げる感覚」が非常に明確です。特に対下回転(ツッツキやカット)に対するループドライブでは、竹の柔らかいしなりによってボールがラケットにしっかりと食いつくため、ネットミスを恐れずに薄く捉えて強烈な回転をかけることができます。スピードドライブに関しても、ラケットが軽いためスイングスピードを極限まで高めやすく、コースを厳しく突く連打で得点を重ねるスタイルに抜群の適性を示します。
一方、スマッシュや角度打ちなどのフラット系攻撃では、軽さと振り抜きの良さが光ります。浮いたボールに対して素早くラケットをセットし、コンパクトなスイングでパチンと弾くことができます。ただし、ラケット自体の重量が軽いため、後陣から一発で相手を打ち抜くような重砲ドライブよりも、前・中陣でピッチの速い連続攻撃を仕掛けるプレーにおいて真価を発揮します。
3-2. ブロック・カウンター(前陣守備):相手の強打を吸収する驚異の安定感
テナムの性能が最も輝く場面のひとつが、前陣でのブロック技術です。相手の威力あるドライブに対してラケットを合わせた際、通常の硬いラケットや弾みすぎるラケットではオーバーミスになりがちですが、テナムはソフトな打球感と適度なしなりが相手のボールの威力を適度に吸収してくれます。
さらに、平均74gという軽さと縦155mmの取り回しの良さにより、相手の強打に対して咄嗟にラケットを動かす反応速度が格段に上がります。フォアからバックへの切り替えもスムーズで、ただ当てるだけの受動的なブロックだけでなく、コースを突くプッシュブロックや、相手の威力を利用したカウンターブロックも驚くほど安定して相手コートに収まります。粒高ラバーや表ソフトラバーをバック面に貼った際のブロックの止まり具合・変化のつけやすさは絶品です。
3-3. カット・ツッツキ(守備・台上技術):切れ味とコントロールの高次元な両立
カットマンや守備重視のプレーヤーにとって重要なカット技術とツッツキ技術についても、テナムは非常に高い評価を得ています。カットにおいては、ブレードの横幅が152mmあることで安心感があり、球持ちが良いためボールの下をしっかりと擦り切って、低く鋭いカットを送ることが可能です。純粋な守備用(DEF)ラケットほど飛ばないわけではないため、相手の緩いボールに対しても自分の力で押し込む負担が少なく、攻撃(反撃)に移る際も威力不足を感じにくいのがメリットです。
また、台上のツッツキやストップにおいては、ラケットの軽さが手先の繊細な感覚を研ぎ澄ませてくれます。重たいラケットだとスイングの惰性でボールが浮いてしまうような場面でも、テナムならピタッとインパクトを止めるストップや、低く鋭く切るツッツキが自在にコントロールできます。
3-4. サーブ・レシーブ:手首の返しやすさと繊細なタッチの出しやすさ
サーブとレシーブの場面では、軽量であることのメリットと特徴がはっきりと表れます。サーブを出す際、ラケット自体の重み(遠心力)を利用して切るタイプの人にとっては最初は少し軽く感じるかもしれませんが、その分手首のスナップを極限まで速く使えるため、スイングスピードで強い回転を生み出すことができます。また、フェイントを入れた巻き込みサーブや、長短のコントロール、ロングサーブのスピード変化などは非常にやりやすいです。
レシーブにおいても、チキータやフリックといった台上攻撃を仕掛ける際、ラケットが軽いため手首の可動域が広くなり、コンパクトな振りで鋭い打球が可能です。相手のサーブの回転を見極めて、瞬時にラケット角度を微調整する操作性はトップクラスと言えます。
4. テナムを使用するメリットと事前に知っておきたい注意点(デメリット)
どんなに優れたラケットにも、長所があれば必ず裏返しとなる短所や注意点が存在します。購入後に「イメージと違った」と後悔しないよう、メリットと注意点を客観的に整理しておきましょう。
4-1. メリット:長時間の練習でも疲れにくくスイングスピードが向上する
テナムを使う最大のメリットは、身体的負担の軽減と、それに伴う技術習得のスピードアップです。両面にラバーを貼っても総重量を150g〜165g程度(異質ラバーを貼れば130g〜140g台)に収めることができるため、長時間の練習や1日に何試合もこなす過酷な大会でも、腕や肩、手首が疲れにくくなります。
また、手首や肘の故障(テニス肘・卓球肘など)に悩んでいるプレーヤーや、筋力が低下してきたシニア層にとっても、この軽さは大きな救いとなります。無理な力みを抜いて自然なフォームで振り抜けるため、「今まで重くて振れなかったバックハンドが振れるようになった」「連打の切り替えが速くなった」という劇的な変化を実感しやすいラケットです。さらに、税込8,250円(実売価格では6,000円前後〜)という高いコストパフォーマンスも、気軽に試せる大きな魅力です。
4-2. 注意点1:ラケット単体が軽いため重い球質(一撃の威力)は出しにくい
一方で、明確な注意点として挙げられるのが「球質の軽さ」です。物理学的に、ボールの重み(威力)は「スイングスピード×用具の重量」に比例します。テナムは平均74gと非常に軽量で、かつ打球感がソフトであるため、パワーヒッターが特殊素材ラケットで放つような「一撃で相手のラケットを弾き飛ばすような重いボール」を出すのは構造上困難です。
そのため、パワーと一発のスピードで相手をねじ伏せたい本格的なドライブ主戦型の男子選手や、後陣からの引き合いをメインにする選手には物足りなく感じるでしょう。テナムを使う場合は、一発の威力に頼るのではなく、「回転量」「コース取り」「緩急」「変化」「ミスの少なさ(連打の安定感)」で勝負する戦術を意識することが重要になります。
4-3. 注意点2:グリップ展開がFL(フレア)のみ
もうひとつの注意点は、スペックの選択肢です。現在、テナムのグリップラインナップはシェークハンドの「FL(フレア)」のみとなっています。実際のユーザーレビューでも「中国式ペン(中ペン)を出してほしい」「日本式ペンやストレート(ST)グリップも欲しい」という要望が多く見られますが、現状はFLのみである点に注意が必要です。
ただし、カットマンや異質型で反転(フォアとバックのラケット面をくるりと入れ替える動作)を行う選手にとっても、テナムのFLグリップは比較的クセが少なく握り替えやすい形状になっています。
5. テナムはどんな選手におすすめ?相性の良い4つのプレースタイル
ここまでの特徴と性能評価を踏まえると、テナムが真価を発揮するターゲット層が明確に浮かび上がってきます。特に以下の4つのプレースタイル・選手層には自信を持っておすすめできます。
5-1. 粒高や表ソフトを駆使する「前陣異質攻守型」の選手
フォア面に裏ソフト、バック面に粒高ラバーや変化系表ソフト、あるいはアンチラバーを貼って前陣で戦う「異質攻守型」の選手にとって、テナムは理想的な選択肢のひとつです。異質攻守型は、相手の強打をバック面の粒高で短くブロックしたり、プッシュで揺さぶったり、浮いた球をフォアでスマッシュ・ドライブしたりと、素早いラケットワークが求められます。
テナムの「軽さ」は瞬時のラケット角度の調整を助け、「竹の柔らかさ」はブロック時の衝撃を吸収してオーバーミスを防ぎ、「6.2mmの板厚」はフォアで攻撃する際の適度な弾みを保証してくれます。実際に粒高を使用するレディース選手からも「前陣攻守がやりやすく、打球感も最高でスペアまで購入した」という高い評価が寄せられています。
5-2. 守備だけでなく反撃も積極的に狙う「攻撃+守備のカットマン」
現代のカットマンは、ただ後ろで拾うだけでなく、隙あらば前・中陣でドライブやスマッシュを打ち込む「攻撃+守備のオールラウンドカットマン」が主流です。しかし、従来のカット用ラケットはブレードが大きくて重く、攻撃時に振り遅れやすいという課題がありました。
テナムなら、横幅152mmのワイド設計と抜群の球持ちで安定したカットを送りつつ、74gという軽さを活かして攻撃用ラケットと同じ感覚で素早く反撃に転じることができます。「カット用ラケットでは重すぎる・飛ばなすぎる」「攻撃用ラケットではカットが浮いてしまう」と悩んでいるカットマンに、まさにドンピシャでハマる性能です。
5-3. 重いラケットが振れない「ジュニア・レディース・シニア選手」
卓球を始めたばかりの小学生(ジュニア選手)、ママさん卓球を楽しむレディース選手、そして健康維持や生涯スポーツとして卓球に取り組むシニア選手にとって、「ラケットの重さ」は上達を妨げる最大の壁になりがちです。重いラケットを無理に使っていると、手打ちになったり、打球点が遅れたり、最悪の場合は手首や肘を痛めてしまいます。
テナムは、無理にブレードを薄くせずに軽量化を達成しているため、筋力に自信がない選手でも正しいフォームで最後まで鋭く振り切ることができます。基礎技術の習得過程にある初級者〜中級者が、ボールをしっかりと掴んで回転をかける感覚を養うための「育成用・ステップアップ用ラケット」としても極めて優秀です。
5-4. 重い裏ソフトラバーを両面に貼って安定感を求める「ラリー志向の選手」
「自分は異質型でもカットマンでもなく、両面裏ソフトのドライブ型だ」という選手にも、テナムは意外な解決策をもたらします。近年のハイエンドなスピン系テンションラバーや粘着テンションラバーは、1枚で50g前後になることも珍しくありません。これを88gのラケットの両面に貼れば、総重量は188g近くになり、中級者では到底振り回せなくなります。
そこで、あえて平均74gのテナムをベースに選ぶことで、両面に重くて高性能な裏ソフトラバーを貼っても総重量を170g前後に抑えるというアプローチが可能になります。ラバーの性能で威力と回転を確保しつつ、ラケットの軽さと球持ちでラリーの安定感を極限まで高める、賢い用具セッティングと言えます。
6. テナムに合うおすすめラバー徹底解説!【戦型・ラバー種別】
ラケットの特性を100%引き出すためには、組み合わせるラバー選びが極めて重要です。テナムは「超軽量・ソフトな打球感・優れた球持ち・オールラウンドな弾み」という特徴を持っているため、「ラケットの良さをさらに伸ばすラバー」か、あるいは「ラケットに足りない威力を補うラバー」を合わせるかで方向性が決まります。ここでは、同じJUIC製のラバーはもちろん、他メーカーの定番ラバーも含めて、相性抜群のおすすめラバーを種別ごとに詳しく解説します。
6-1. 【裏ソフトラバー編】しなりを活かして回転と威力を補うおすすめラバー
テナムのフォア面や、両面裏ソフトの選手におすすめしたいのは、「回転性能が高い粘着系・微粘着系ラバー」または「適度な硬さと反発力を持つテンション系ラバー」です。ラケット自体が柔らかくしなるため、少し硬めのスポンジを持つラバーを貼っても打球感が硬くなりすぎず、絶妙なバランスに仕上がります。
- JUIC「999エリート(スリーナインエリート)」/「ナノスピンII」
同じJUICブランドで統一したい場合にまずおすすめしたいのがこの2枚です。「999エリート」はJUIC伝統の粘着性ラバーで、テナムの球持ちの良さと合わさることで、強烈なスピンのサーブやループドライブ、低く切れたツッツキやカットが可能になります。一方、もう少しスピードと弾みが欲しい場合は、テンション系の「ナノスピンII」を合わせると、竹のしなりを活かしつつ軽快なドライブ連打が打ちやすくなります。 - VICTAS「TRIPLE Double Extra(トリプル ダブルエキストラ)」/ニッタク「キョウヒョウプロ3」
粘着テンションや本格的な中国製粘着ラバーとの相性も抜群です。通常、これらの硬くて重い粘着ラバーは、硬いラケットや弾む特殊素材に貼ると扱いが難しくなり、かつ重量が重くなりすぎる欠点があります。しかしテナムに貼ると、ラケットの軽さがラバーの重さを相殺し、ブレードの柔らかさが硬いスポンジの食い込みを助けてくれるため、驚くほどコントロールしやすくなります。前陣でのカウンターや回転量重視のプレーに最適です。 - バタフライ「ロゼナ(ROZENA)」/XIOM「ヴェガ ヨーロッパ(VEGA EUROPE)」
初級者〜中級者、ジュニアやレディース選手が「とにかくミスを減らして安定したラリーを続けたい」という場合には、食い込みの良いミディアム〜ソフト系のテンションラバーがおすすめです。「ロゼナ」や「ヴェガ ヨーロッパ」をテナムに組み合わせると、どんな体勢からでもボールが相手コートに深く入る抜群の安心感が得られ、技術のステップアップを強力にサポートしてくれます。
6-2. 【粒高ラバー編】前陣でのブロックと変化を最大化するおすすめラバー
テナムを異質攻守型やカットマンとして使う場合、バック面に貼る粒高ラバーとの相性は全ラケットの中でもトップクラスです。ブレードが相手の威力を吸収してくれるため、変化重視の粒高から安定重視の粒高まで幅広くマッチします。
- Dr.Neubauer(ドクトル・ノイバウア)各種粒高ラバー/JUIC「パチタンII」
JUICが日本総代理店を務める異質ラバー専門ブランド「Dr.Neubauer」の粒高ラバー(モンスタークラシックやトラブルメーカーなど)は、テナムとの相性を計算し尽くされたかのようにマッチします。相手の回転を反転させるカットブロックや、揺れるようなナックルボールを前陣でピタリと止めることができます。また、JUICオリジナルの粒高「パチタンII」も、攻撃と守備のバランスが良く、テナムでのプッシュやミート打ちをやりやすくしてくれます。 - VICTAS「CURL P3αV(カール P3αV)」/「CURL P1V(カール P1V)」
前陣でのブロックとプッシュの安定感を最優先するなら、粒が適度に低くコントロールしやすい「カール P3αV」(薄や極薄スポンジ)が非常におすすめです。飛びすぎずネットにも引っかからない絶妙な軌道で、相手を前後に揺さぶることができます。一方、後ろに下がって切れ味鋭いカットで粘りたいカットマンには、変化幅の大きい「カール P1V」を合わせることで、テナムの球持ちを活かした重く切れたカットが実現します。 - バタフライ「フェイント・LONG III」/「フェイント・OX(一枚ラバー)」
とにかく台上でピタッと止めたい前陣ブロック型の選手には、スポンジなしの「フェイント・OX」などの一枚ラバーも面白い選択肢です。テナム自体が74gで、そこに一枚ラバーを貼ると総重量が驚くほど軽くなり、相手の強打に対してラケットを壁のようにセットして短く落とすブロックが自在にできるようになります。カットマンで安定感を求めるなら、スポンジが柔らかい「フェイント・LONG III」が抜群の操作性を発揮します。
6-3. 【表ソフト・アンチラバー編】軽快な弾きとナックルを生み出すおすすめラバー
テナムは6.2mmの板厚があるため、表ソフトラバーでの角度打ちやスマッシュ、あるいはアンチラバーでの緩急をつけたプレーにもしっかりと対応します。
- JUIC「オフェンスアルティマ」/「ネオアンチ」
JUICの表ソフトラバーである「オフェンスアルティマ」や定番のスピン系・スピード系表ソフトを合わせると、テナムの振り抜きの良さを活かしたピッチの速い速攻プレーが可能です。また、相手の回転を無効化するアンチラバー「ネオアンチ」をバック面に貼れば、テナムのソフトな打球感と相まって、相手の強ドライブを力を抜いて簡単にストップ・ブロックでき、浮いた球をフォアで仕留める黄金パターンが作れます。 - アームストロング「アタック8(エイト)」/ニッタク「モリストSP」
変化系表ソフト(半粒)の代名詞である「アタック8」とテナムの組み合わせは、前陣攻守型の選手にぜひ試してほしいセッティングです。テナムの球持ちがアタック8特有のクセをマイルドにしてコントロールを高めつつ、ブロック時にはしっかりとナックル変化を出してくれます。より攻撃的なスピードとスマッシュの威力を求めるなら、テンション系表ソフトの定番「モリストSP」を貼ることで、ラケットの軽さを活かした高速連打が可能になります。
6-4. 【組み合わせ例】戦型別のベストセッティング提案
ここまでのラバー解説を踏まえ、プレースタイル別の具体的なベストセッティング例を3つ提案します。
- セッティング例1
前陣異質攻守型(レディース・シニア・中級者に最適)
フォア面
VICTAS「トリプル ダブルエキストラ(厚)」または JUIC「ナノスピンII(厚)」
バック面
VICTAS「カール P3αV(極薄)」または Dr.Neubauer系粒高(OX〜極薄)
解説
バック面の粒高で相手の攻撃を低く止め、チャンスボールをフォア面の回転とコース突きで仕留める組み合わせです。フォアに少し重めのラバーを貼っても全体が軽く収まるため、フォア・バックの切り替えが驚くほどスムーズになります。 - セッティング例2
攻撃+守備のオールラウンドカットマン
フォア面
ニッタク「キョウヒョウプロ3(厚)」または JUIC「999エリート(厚)」
バック面
バタフライ「フェイント・LONG III(薄)」または アームストロング「アタック8(中)」
解説
粘着ラバーの回転力とテナムのしなりを活かして、切れたカットと威力ある反撃ドライブを両立する組み合わせです。ラケットが軽いため、後陣から前陣へ駆け上がってのカウンタードライブも振り遅れません。 - セッティング例3
安定感重視のオールラウンド・ジュニア育成型
フォア面
バタフライ「ロゼナ(中〜厚)」
バック面
XIOM「ヴェガ ヨーロッパ(中〜厚)」
解説
重いラケットが振れないジュニア選手や初級者が、正しいスイングでドライブやブロックを覚えるための王道セッティングです。軽量で振り抜きやすく、球持ちが良いため「自分で回転をかけてコートに入れる感覚」が最短で身につきます。
7. テナムは竹のしなりと軽さで卓球の楽しさと安定感を広げる名作ラケット
今回は、JUIC(ジュウイック)の竹製5枚合板ラケット「テナム(tenamu)」について、その特徴から技術別の使用感、そして相性の良いラバーまで徹底的に解説しました。最後に、本記事の重要なポイントを振り返りましょう。
- 表面材に「竹」を採用した唯一無二の5枚合板ラケットであり、美しい節模様と爽やかな香りが魅力。
- 板厚6.2mmありながら平均重量74gという超軽量設計を実現し、軽さと適度な弾みを両立している。
- 竹特有の「柔らかいしなり」と「抜群の球持ち」により、ドライブの回転かけやカット、ブロックの安定感がずば抜けている。
- 縦155mm×横152mmのワイドかつコンパクトなブレード設計が、広いスイートスポットと優れた操作性を生み出す。
- 一撃の重さこそ出にくいものの、前陣異質攻守型、攻撃を混ぜるカットマン、力に自信のないジュニア・レディース・シニア選手には最高の武器になる。
- ラバーは粘着系・コントロール系裏ソフトや、粒高・変化系表ソフトなどの異質ラバーと組み合わせることで真価を発揮する。
現代の卓球界では、どうしても「より速く、より弾む特殊素材ラケット」ばかりが注目されがちです。しかし、自分の筋力や技術レベルに合わない重くて硬いラケットを使い続け、ミスを連発して卓球の楽しさを見失ってしまう選手は少なくありません。
テナムは、「ラケットを軽くし、しなりでボールを掴むことで、これほどまでに卓球が簡単で楽しくなるのか」という気づきを与えてくれる稀有な名作ラケットです。他の人とは一味違う竹製ラケットの個性的な存在感を楽しみたい方や、現在のラケットの重さ・コントロール不足に悩んでいる方は、ぜひ一度JUICの「テナム」を手に取って、その圧倒的な扱いやすさと安心感を体感してみてください。

